Vestasが既存の風車ブレードに適用可能なリサイクル技術を発表

Vestasが既存の風車ブレードに適用可能なリサイクル技術を発表 洋上風力発電

 Vestasは主導するCETECプロジェクトで開発した化学プロセスと、OlinおよびStena Recyclingとの提携を組み合わせることで既存風力タービンブレードに適用可能なリサイクル技術を発表。この技術を商用レベルへスケールアップさせる計画を明らかにしている。

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Vestasが既存の風車ブレードに適用可能なリサイクル技術を発表

Vestas unveils circularity solution to end landfill for turbine blades

(Vestas がタービン ブレードの埋め立てを終わらせる循環ソリューションを発表)

Vestas unveils circularity solution to end landfill for turbine blades

 2023年2月8日、Vestasはエポキシベースの風力タービンブレードをリサイクル可能な材料として分解する循環ソリューションを発表した。ブレードのリサイクル性を高め、風力産業全体で循環経済の採用を促進することを目指すCETEC(Circular Economy for Thermosets Epoxy Composites、熱硬化性エポキシ複合材料の循環経済)プロジェクトで開発した化学プロセスと、OlinおよびStena Recyclingという化学メーカーとリサイクル企業との提携を組み合わせることで開発されたリサイクル技術は、既存の風力タービンブレードにも適用可能。

 今後は、このリサイクル技術を商用レベルにスケールアップさせる計画で風力産業における循環性の実現に向けた取り組みが加速するとしている。

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困難な風力タービンブレードのリサイクル

 風力タービンを構成するブレード以外の部材は多くがリサイクルされていますが、エポキシ樹脂とガラス繊維の熱硬化性複合材で作られているブレードは、軽量で高強度という反面、樹脂と繊維の分離が困難なことから多くの場合、リサイクルされずに埋立廃棄されているというのが現状。

 この風力タービンブレードのリサイクルが困難で埋立廃棄されていることについて欧州ではいち早く問題視されており、ドイツなど一部の国では既に埋立廃棄が禁止されている。埋立廃棄からリサイクルに転換するため、ブレードリサイクル技術の開発が急がれている。

 風力タービンブレードをリサイクルする方法としてSiemens Gamesaが開発を進めているのがリサイクル可能なブレードの製造。リサイクルを困難にしているエポキシ樹脂をより簡単に処理できる代替品に変更するというもの。これもブレードリサイクルには有効ですが、新規で製造するものについてしか対応していないという点では今回のVestasが発表したリサイクル技術には適用範囲で劣る。

 Vestasのプレスリリースによると、ブレードリサイクル技術の肝となるエポキシ樹脂を分解する化学プロセスは広く入手可能な化学物質に依存しており、工業化との互換性が高く、迅速に商用レベルへスケールアップが可能としている。

 今後数年で増加する運転寿命を迎える風力タービンブレード全てが埋立廃棄からリサイクルへ変換される可能性がある画期的な技術には期待が持てるかもしれない。

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