世界最大のSEP船「Voltaire」間もなく風力タービン設置開始
First campaign to install turbines at world’s largest offshore wind farm is underway
(世界最大の洋上風力発電所にタービンを設置する初のキャンペーンが進行中)
https://doggerbank.com/press-releases/first-campaign-to-install-turbines-at-worlds-largest-offshore-wind-farm-is-underway/
完成すると世界最大規模の3.6GWという発電容量の洋上風力発電所になる「Dogger Bank Wind Farm」で、これまたSEP船として世界最大の吊り上げ能力3,200トン吊りクレーンを搭載した「Voltaire」による風力タービン設置が間もなくスタートする。
以前、SEP船「Voltaire」のAIS情報を確認した時は、6月に拠点港のエイブル・シートン港へ入港していたので既に設置作業は開始していると思っていましたが、まだだったようです。
洋上風力発電所も設置するSEP船も規模が桁違い
風力タービン設置をおこなう「Voltaire」は3,200トン吊りのクレーンを搭載しており、SEP起重機船としては世界最大。そして、「Dogger Bank Wind Farm」は A、B、C という3つの設置エリアで構成されていますが、それぞれ1.2GWという発電容量が割り当てられており、全体で3.6GW。
日本国内で進められているプロジェクトと比べると桁違いな規模の大きさに驚きます。日本で現在建設中の洋上風力発電プロジェクトで最も規模が大きいのは「北九州響灘洋上ウインドファーム」の240MW(接続容量220MW)。3.6GWと240MW、まさに桁違いの差となっており、実に「北九州響灘洋上ウインドファーム」の15倍という大きさ。
設置する風力タービンは13MWの Haliade-X、ローター直径220m
風力タービン資材を自船の甲板上に積み込みしたSEP船「Voltaire」の画像を見ても撮影されている角度が微妙なので何基分の部材を積んでいるのか断言することは出来ませんが、積み込み前の甲板上に積まれている地組したタワーを搭載する架台が5つであることから5基分の部材を積んでいると思われる。
甲板上に積まれたタワーの上部は、レグの上部と同じかそれよりも少し高いくらい。SEP船「Voltaire」のレグ長さは130mで船体深さが14.6mなので、甲板上からレグ頂部までの高さは約115m。ビルの高さに換算するとおよそ38階建てビルと同じ高さ。
出典:Dogger Bank Wind Farm
設置するGE製 風力タービン「Haliade X」のブレード長さは106m、ローター直径と呼ばれる3枚の羽根が描く円の大きさは直径220m、タワーを含めた全体の高さは260mにもなる。
「Dogger Bank Wind Farm」の概要
名称 | Dogger Bank A | Dogger Bank B | Dogger Bank C |
発電容量 | 1.2GW | 1.2GW | 1.2GW |
風力タービン | GE Haliade-X 13MW | GE Haliade-X 13MW | GE Haliade-X 14MW |
設置数 | 95基 | 95基 | 87基 |
風車基礎 | モノパイル | モノパイル | モノパイル |
完成予定 | 2023年 | 2024年 | 2026年 |
設置位置はイングランド、ヨークシャーの東130km沖合にある北海。「Dogger Bank Wind Farm」は、Dogger Bank A、Dogger Bank B、Dogger Bank Cという3つのフェーズで開発されており、それぞれの発電容量は1.2GW、合わせると3.6GW。完成すれば世界最大の洋上風力発電所となる。
プロジェクトは、英国エネルギー大手SSEグループ傘下のSSE Renewablesと石油会社Equinor、ノルウェーの洋上風力発電会社Vårgrønnという3社による合弁事業。出資比率は、SSE Renewables(40%)、Equinor(40%)、Vårgrønn(20%)。
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