2MWの風力タービンナセルをコンパクトな住居に再利用
Vattenfallは耐用年数を超えた風力タービンナセルの再利用方法として内部を住居に改造するという斬新な方法を提案。
2024年10月21日にVattenfallが掲載した情報によると、実際にコンパクトな住居に改造した風力タービンナセルはオランダのデザインイベントDutch Design Weekで展示されたという。Dutch Design Weekは毎年10月にオランダのアイントホーフェン(Eindhoven)開催されており、2024年は10月19日から27日という日程でおこなわれました。
改造した風力タービンナセルはVestas製の2MW風車「V80」
改造に使用した風力タービンナセルは、2005年に建設されたオーストリアの「Gols wind farm」で約20年間使用されていたVestas製の2MW風力タービン「V80-2.0 MW」。
風力タービンナセルの大きさは、長さ10m、幅4m、高さ3m。
改造前のナセル内部には、ギッシリと必要機材が詰め込まれていますが、全て撤去して内部を広い空間に。
住居として改造したナセル内部には、キッチンやバスルーム、リビングスペースがあり、さらにナセル上部に太陽光パネルが設置されている。改造後の重量がどの程度なのか気になりますけど、数値は記載されていませんでした。
同世代のナセルは世界中に約1万台
風力タービンの部材として使用されているナセルやタワーは金属製であるためリサイクル可能ですが、鉄を再度溶かして利用するには大量のエネルギーを必要とします。
VattenfallのThomas Hjortイノベーション ディレクターは、使用済み風力タービンの材料を可能な限り完全に再利用できる革新的な方法を模索しているとした上で、できるだけ変更せずに新しいものを作り、原材料やエネルギー消費を節約することによって、風力タービンとしての耐用年数を超えた後も使用できるようにすると述べています。
今回、改造に使用した2MW風力タービンと同じ世代の風力タービンは世界中に約1万台あり、そのほとんどはまだ廃止されていない。近い将来、続々と耐用年数を迎えた風力タービンが撤去されるため、現在建設中の風力タービンを含めて持続可能な循環サイクルを考えなければならない。
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