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揚程を大幅に増強したSEP船で8.5MW風力タービン設置

揚程を大幅に増強したSEP船で8.5MW風力タービン設置 洋上風力発電
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SEP起重機船「錦華02」による8.5MW風力タービン設置

中国の山東省にある山東半島南側で建設が進められている「SPIC山東半島南U2洋上風力発電プロジェクト」で、SEP起重機船「錦華02」(JIN HUA 02)により1基目の出力8.5MW風力タービン設置がおこなわれました。同プロジェクトの総発電容量は600MW、8.5MW風力タービン71基を設置する計画で11月末までに設置を完了する予定。SPIC(State Power Investment Corporation Limited):国家電力投資集団有限公司。

風力タービン大型化に伴うSEP起重機船のクレーン能力増強やジブ延長による揚程を大きくするアップグレードは中国だけに限らず、ヨーロッパの既存船でも増えてきています。ただ、中国の場合は振り切っているというか全力でアップグレードしているので見た目で不安を覚える程の大胆な改造が特徴。

今回、風力タービン設置をおこなった「錦華02」、そして「錦華01」という同型船にあたる2隻のSEP船もアップグレードが施されています。

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大幅に揚程を増強したSEP船「錦華01」「錦華02」

SEP船「锦华01」「锦华02」アップグレード前と後

アップグレード前
出典:Sohu(搜狐)
アップグレード後
出典:江蘇大烨智能電気股份有限公司

SEP船「錦華01」「錦華02」を現在所有している江蘇大烨智能電気股份有限公司は、2022年4月に子会社にあたる江蘇大烨新能源科技有限公司を通じて2隻のSEP船を購入。その後、直ちにアップグレードを実施したようです。

アップグレード前は、300トン吊り及び50トン吊りの台座クレーンと700トン吊りクローラークレーンが搭載されていたようですが、クローラークレーンの方は安全性能が劣るという理由から撤去。メインクレーンの300トン吊りクレーンは、台座部分から全てを交換。以前はジブレストするとジブと居住区頂部が近い位置にありましたが、新規のクレーン台座が高いことからアップグレード後の画像ではジブと居住区との間に大きな空間が出来ているのが確認できます。

クレーン能力は300トン吊りから440トン吊りへ、揚程は甲板上132.6mにアップグレード。

440トンのクレーン能力で8.5MWの風力タービン設置は結構スゴイ。

船名「锦华01」(JIN HUA 01)
「锦华02」(JIN HUA 02)
クレーン能力メイン:440トン
補助:50トン
長さ77.6m
45.4m
深さ6.6m
レグ長さ不明
最大作業水深60m
DPSDP-2
載貨重量トン2,460トン
8.5MW風力タービン設置
出典:江蘇大烨智能電気股份有限公司

元々は油田関係の作業を目的に建造

SEP船「錦華01」「錦華02」は元々、中国の招商局重工(CMHI)で建造され、「铧景1」「铧景2」という船名でした。油田関係の作業を目的として2020年7月に完成・引き渡しされたものの、ちょうど市場原油価格が下落していた時期だったことに加え、洋上風力産業の見通しが良好だったこともあり洋上風力設置船として改造がおこなわれたようです。

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