シンガポールで三菱鉱石輸送の貨物船に武装強盗団侵入、ケガ人無し

シンガポールで三菱鉱石輸送の貨物船に武装強盗団侵入、ケガ人無し 事件・事故
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シンガポールで三菱鉱石輸送の貨物船に武装強盗団侵入、ケガ人無し

2024年6月11日、シンガポールで三菱鉱石輸送が海外子会社を通じて保有するばら積み貨物船「SANTA REGINA」に武装強盗団が侵入するという事件が発生。

アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP,Regional Cooperation Agreement on Combating Piracy and Armed Robbery against Ships in Asia)によると、事件が起きたのは6月11日03時12分頃。マラッカ・シンガポール海峡のプラウ・クラ島から西に5.3海里を航行していた貨物船「SANTA REGINA」にナイフを持った6人の武装強盗団が侵入。乗組員2人を縛って拘束した上でエンジンのスペアパーツを盗んだという。拘束された状態の乗組員を発見した機関士から連絡を受けた船長が通報。犯人の捜索がおこなわれましたが、目撃情報も無く捕まっていない。

拘束された乗組員を含めて負傷者は出ておらず、貨物船「SANTA REGINA」も翌日には航行を再開。6月16日には目的地の中国に到着しています。

約10ノットで航行している長さ229mの貨物船にどうやって侵入?

ReCAAPが公表している事件情報には、武装強盗団の侵入方法として ”entered the engine room through the steering gear door”(ステアリングギアドアから機関室に侵入した)と記載されています。

貨物船「SANTA REGINA」のAIS情報を確認すると、事件が起きた頃の速力は約10ノット(時速18.5km)。ステアリングギアドアというものがどのような位置にあってどんな形状なのか分かりませんが、全長229mの航行している貨物船に船側へ気付かれない状態で侵入することは、相当危険な行為。

盗まれたとされるエンジンのスペアパーツの被害額は公表されておらず、どの程度の価値があるのか不明。ただ、そのまま製品の状態で売ると足がつく可能性があり、かといってスクラップのような形で売るとそこまでの金額にならないような気がする。命懸けの侵入に対する対価としては見合わないと思いますが・・。

ReCAAPによると、この地域で今回のような事件は2024年に入ってから18件発生しているそうです。マラッカ・シンガポール海峡および沿岸国を通過する船舶に対し、巡視と取り締まりを強化しているようですが成果には結びついていない。

貨物船「SANTA REGINA」の概要

American Bureau of Shippingに登録されている貨物船「SANTA REGINA」の情報
  • Owner(船主):COMPANIA FLOR DE VAPORES, S.A.
  • Shipbuilder(建造):SHIN KURUSHIMA SANOYAS SHIPBUILDING CO., LTD.(新来島サノヤス造船)
船名SANTA REGINA
総トン数45,063トン
載貨重量トン82,063トン
長さ229m
32.24m
船籍パナマ
建造年2014年10月
ばら積み貨物船「SANTA REGINA」
出典:MarineTraffic | Michael Schindler
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