風力漁業統合実験プラットフォーム「伏羲一号」ケージ部分の建造完了
2024年7月10日、洋上風力と養殖漁業の統合実験プラットフォームとして建造している「伏羲一号」(fu xi yi hao)ケージ部分の建造が完了。広東省江門市新会区にある広州打撈局江門有限公司で中国広核集団(China General Nuclear Power Group)向けに建造されている。
風力養殖漁業統合実験プラットフォーム「伏羲一号」の形状は、長さ70m、幅37.5m、高さ31.6m、養殖水域は63,000m3。建造場所である広東省江門市の東に位置する広東省汕尾市の海岸から約11km沖合に設置する予定。
建造が完了したケージ部分を含むプラットフォームの四隅には基礎杭で固定するためのさや管が取り付けられており、中国で一般的な半潜水式の養殖プラットフォームとは違って着底式となっている点は珍しい。
建造および設置場所の位置図
中国で一般的な半潜水式の養殖プラットフォーム
出典:China Classification Society
完全グリーンエネルギーによる初の風力養殖漁業統合実験プラットフォーム
出典:Sohu(搜狐)
建造が完了した養殖水域となるケージ部分のプラットフォーム上部には、管理をおこなう設備に加えて風力タービンが設置され、プラットフォーム内で使用する電力を供給。完全グリーンエネルギー供給による風力養殖漁業統合実験プラットフォームは中国初であると報じられており、他にも10km以上沖合で水深25m以上の海域に杭ベースの養殖漁業ケージを設置することが初めてになるという。
既に中国で設置されている”洋上風力”+”養殖漁業”
出典:X | China Focus(@China__Focus)
出典:Mingyang Smart Energy
洋上風力+養殖漁業という組み合わせ自体は既に中国で浮体式洋上風力漁業統合プロジェクト「国能共享号」、洋上風力漁業統合基礎ジャケット「明漁一号」において設置されています。
「国能共享号」と「明漁一号」に関しては、洋上風力タービンを設置した時のデッドスペースで養殖漁業を実施するという流れですが、今回の風力養殖漁業統合実験プラットフォーム「伏羲一号」は養殖漁業に必要な電力を洋上風力から調達するというものなので、主体が異なるようです。
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