ジョーンズ法に準拠した初のSEP船「Charybdis」海上公試

ジョーンズ法に準拠した初のSEP船「Charybdis」海上公試 起重機船、クレーン船
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SEP船「Charybdis」海上公試

2025年2月18日、Seatriumはアメリカ テキサス州南部にあるブラウンズビルのSeatrium AmFELSでDominion Energy向けに建造しているSEP起重機船Charybdis」の海上公試(Sea Trial)を開始したと発表しました。

海上公試は進行中で、ジャッキアップ試験とメインクレーンの荷重試験は完了しているという。

SEP起重機船「Charybdis」の船体寸法は長さ144m、幅56m、深さ11.5m、レグ長さ109m。船体設計は、GustoMSC。自航式でDP2のダイナミックポジショニングシステムを搭載。メインクレーンはHuisman製で最大吊り上げ能力2,200トン。

2025年後半に完成・引き渡しの予定。

ジョーンズ法に準拠した初のSEP起重機船

「Charybdis」はジョーンズ法に準拠した初のSEP起重機船となることから注目されています。

アメリカ国内の洋上風力発電所では、これまでに「Vineyard Wind 1」でDEMEのSEP起重機船「Sea Installer」、「South Fork Wind」でVan Oord のSEP起重機船「AEOLUS」による風力タービン設置がおこなわれていますが、いずれもジョーンズ法の要件を満たしていないSEP起重機船。そのため、拠点港で直接甲板上へ風力タービン部材を積み込むことが出来ず、台船を使用して設置海域まで輸送して部材を吊り取るという方法で作業をおこなっています。

 アメリカのジョーンズ法による洋上風力建設への影響

アメリカ国内の地点間における国内輸送(内航)をおこなう船舶を限定するジョーンズ法と呼ばれる法律。その要件には米国船籍、米国人配乗、米国人所有に加えて、他国には無い米国建造という要件が含まれており、洋上風力発電所建設時の大きな障壁となっている

  • 米国船籍
  • 米国人配乗
  • 米国人所有
  • 米国建造

ジョーンズ法の影響を受ける風力タービン設置作業では、SEP船など他国建造の設置船甲板に部材を積み込みして拠点港から設置場所へ運ぶことが出来ないため、ジョーンズ法に準拠した船舶で運搬する方法以外にも様々な対策が考えられている。

SEP起重機船「Charybdis」の概要

2,200トン吊りSEP起重機船「Charybdis」
出典:Dominion Energy
船名Charybdis
クレーン能力2,200トン(ジャッキアップ時)
1,700トン(フローティング時)
ブーム長さ130m
長さ144m
56m
深さ11.5m
喫水7.5m
DPSDP2
搭載可能重量11,500トン
デッキ強度10t/m2
デッキスペース5,400m2
レグ長さ109m
スパッドカン182m2
プロペラ3,700kw×3(格納式)
3,200kw×4(固定)
最大乗船人数119名

完成後は「Coastal Virginia Offshore Wind Farm」で施工予定

SEP起重機船「Charybdis」は完成後、「Coastal Virginia Offshore Wind Farm」で施工する予定。

Dominion Energy が開発を進める「Coastal Virginia Offshore Wind Farm」は、アメリカ東海岸のバージニア州にあるバージニアビーチから東へ27マイル(約43km)で建設が計画されている。Siemens Gamesaの風力タービン「SG 14-222 DD」を176基設置する計画で、総発電容量は2.6GW。

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