世界最大のケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」進水


出典:Jan De Nul
Jan De Nulは、中国の招商局重工(CMHI)海門基地(Haimen shipyard)で建造しているケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」の進水を発表しました。
全長215mの巨大な船体には、最大28,000トンのケーブルを積むことができるという。甲板上に2つと甲板下に1つ、合計3つのケーブルカルーセルに加えて光ファイバー用の大きなホールドが装備されており、最大4本のケーブルを同時に敷設可能。船尾にはシュートとケーブル敷設ホイールが搭載され、最大150トンのケーブル張力を処理するテンショナーと組み合わせることで、シュートを使用すると水深が浅い海域のケーブル敷設が可能、そしてケーブル敷設ホイールを使用すると水深が深い海域での設置が効率的になり、最大で水深3,000mという深海にケーブル敷設ができる設計になっている。
ディーゼル微粒子フィルターと窒素酸化物(NOx)低減システムを組み合わせた高度なデュアル排気フィルターシステムを搭載しており、バイオ燃料とグリーンメタノールで稼働するエンジンと組み合わせることでCO₂排出量を削減し、NOx排出量の大幅削減と合わせて厳しいEURO VI排出ガス規制も満足する超低排出船(ULEv:Ultra-Low Emission vessel)となっている。さらに、2.5MWhのバッテリーによりピークカット、負荷平準化、瞬時運転予備力、エンジン負荷の最適化を実現。
ケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」は、2026年後半に引き渡し予定。
引き渡し後の稼働予定として、TenneTの2GWプログラムに動員されることが明らかにされている。700kmを超える4本のエクスポートケーブルを同時に施工することが可能で、総延長は2,800km超えるという。
| 船名 | Fleeming Jenkin |
| ケーブル 積載量 | 28,000トン |
| 長さ | 215m |
| DPS | DP2 |
| 完成予定 | 2026年 |

出典:Jan De Nul
船名「Fleeming Jenkin」はイギリスの電気技術者に由来
新造するケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」は、イギリスの電気技術者フリーミング・ジェンキン(Henry Charles Fleeming Jenkin)に由来しているそうです。海底ケーブル敷設の技術開発をおこない、先駆者として知られていることから名付けられたという。

出典:Wikipedia | Robert Louis Stevenson , パブリック・ドメイン, リンクによる
(翻訳)この船の名前は、イギリス生まれでエディンバラ大学リージアス工学教授のヘンリー・チャールズ・フリーミング・ジェンキン(1833-1885)にちなんで名付けられました。
電気およびケーブルのエンジニアとして、ジェンキンはオフショア ケーブル敷設の積極的な先駆者でした。
https://www.jandenul.com/news/jan-de-nul-orders-xl-cable-laying-vessel-fleeming-jenkin
※リージアス(Regius)教授とは…イギリス学界独特の制度で君主からのパトロネージ(賛助)、もしくは、任命を受けて就任する教授
2024年5月には同型船「William Thomson」の建造契約締結
2024年5月17日、Jan De Nulは2023年9月に中国の招商局重工有限公司(CMHI)と建造契約を締結した超大型ケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」と同型船の「William Thomson」発注を明らかにしています。
【動画】ケーブル敷設船「Fleeming Jenkin」の進水
ケーブル敷設船としては世界最大という「Fleeming Jenkin」進水の様子。
船首の船橋部分を映す場面では、とんでもない大きさの船体であることがよく分かります。東洋建設がルーマニアのVARDで建造しているケーブル敷設船と比較すると、船体長さは1.4倍以上、ケーブル積載量は3倍以上という巨大さ。





















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