新しい着眼点の浮体式洋上風力技術がアメリカで開発されているようです。Aikido Technologiesが開発を進める斬新な技術は、浮体基礎をコンパクトに折り畳んだ状態で組み立て、さらに上部の風力タービンも一体化して水平に近い状態で倒して運搬が出来るというもの。2024年末に2MWのパイロットプロジェクトを開始する準備を進めている。
アメリカのAikido Technologiesが開発を進める浮体式洋上風車

新しい着眼点の浮体式洋上風力技術。開発を行うのはアメリカのAikido Technologies。社名の ”Aikido” が ”合気道” に由来しているのかは不明ですが、日本人にとって親近感が湧くようなネーミングですね。覚えやすい。
気になる新開発の技術は、浮体基礎をコンパクトに折り畳んだ状態で尚且つ水平近くまで倒した状態でドック内にて組み立てを行うという。必要なドック幅は35m以下、横に倒した状態なので進水時の喫水も4m以下、風力タービンまで一体化した状態で水面上の高さは19m以下という多くのドックで組み立てが可能なサイズとなっているのも特徴。
浮体基礎と風力タービンを一体化させた状態まで組み立てが終わると、そのまま横に倒した状態で現地へ曳航。水面上の高さが19m以下なので通過できる桁下制限が低いため、建造できるドックを選定する上での条件が緩和されるというメリットがある。



出典:Youtube | Aikido Technologies
設置場所に到着すると、浮体基礎にバラストを注水して建て起こしながら折り畳んでいた浮体基礎を展張し、ピンを挿入して固定して最終組み立て完了。
ただ、既存の風力タービンで使用されているナセルを使用して、Aikido Technologies プラットフォームによる水平に近い状態で曳航するには多少の障害があるといい、Aikido Technologies では浮体基礎だけでなく、独自の風力発電機の開発も初期段階にあるとしている。
この技術により、アメリカの港湾エリアのうち80%をカバーし、世界中にある水深の浅い港での浮体式洋上風力建造が可能という。
2024年末には2MWのパイロットプロジェクトを開始する準備をしており、2026年又は2027年に10MW又は15MWの風力タービン設置を行う実証プロジェクト目指しているそうです。
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