東洋建設のケーブル敷設船が最終艤装に向けてノルウェー到着

東洋建設のケーブル敷設船が最終艤装に向けてノルウェー到着 洋上風力発電
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東洋建設のケーブル敷設船が最終艤装に向けてノルウェー到着

2025年12月5日、VARD東洋建設向けに建造している自航式ケーブル敷設船(建造番号:NB 980)が最終艤装に向けてノルウェーのTomrefjordにあるVard Langstenへ到着したことをLinkedInの投稿で明らかにしました。

ルーマニアのVard Tulcea ShipyardからノルウェーのVard Langstenまでの回航距離は約8,000km(約4,300海里)。VARDが投稿した動画では、イタリア船籍のタグボート「KAMARINA」により建造中のケーブル敷設船を曳航する様子が紹介されています。ルーマニアからの全行程をタグボート「KAMARINA」が曳航したのかは不明ですが、ジブラルタル海峡を抜けた先で確認できる曳航速力は3~7ノット。平均5ノットで4,300海里を曳航した場合、計算上の曳航日数は 4,300海里÷5ノット=860時間≒36日。単独の自航船に比べて波浪による影響を受けやすい曳航スタイルでは航行可能な気象海象条件が低くなるため、長い道のりで曳航中の荒天待機を含めるとノルウェー到着までに2ヶ月くらいかかっている可能性がある。無事に到着してくれて、ひと安心。

東洋建設は2023年12月にVARDと建造契約を締結、2024年7月に鉄鋼切断式(First Steel Cutting Ceremony)がおこなわれ、同年9月にルーマニアのVARD Brăila Shipyardで起工式(Keel Laying Ceremony)をおこなった後、2025年2月に船体後部を進水し、Vard Tulcea Shipyardで前方の船体部分と接続する作業を実施。同年6月には、前部と後部を連結して長さ150mとなった船体の進水式がおこなわれました。

進水式の時に東洋建設が発表した情報では、2025年9月末までにルーマニアで一次艤装を終えた後、ノルウェーに回航し、二次艤装および総合試運転をおこなう予定であることがアナウンスされており、順調に建造は進んでいるように見えますが、ルーマニアからノルウェーへの曳航日数が想定内なのかどうかは不明。

これまでに発表されている引き渡し予定は、2026年6月。

最終艤装をおこなうVard Langstenについて

ノルウェーのTomrefjordにあるVard Langsten
出典:VARD

最終艤装がおこなわれるVard Langstenは、ノルウェーのムーレ・オ・ロムスダール県(Møre og Romsdal)にあるTomrefjordに位置している。

VARDの掲載情報によると、主にルーマニアの造船所で建造された船体の最終艤装および試運転、ならびに船舶の修理および改造をおこなっている。Vard Langstenは1945年に設立され、VARD傘下になったのは2004年。

ヤード総面積は45,800m2。Sea hallと呼ばれる海上部にある建屋は長さ100m、幅42m、高さ32m、建屋内のクレーン能力はペアリフトで200トン、浮揚能力5,500トンのフローティングドックを備えている。

ノルウェーのTomrefjordにあるVard Langsten
出典:VARD

自航式ケーブル敷設船の概要

投資額300億円、東洋建設が自航式ケーブル敷設船建造を発表
自航式ケーブル敷設船の完成イメージ
出典:TOYO CONSTRUCTION

東洋建設が建造中の自航式ケーブル敷設船は、イタリアの造船会社フィンカンティエリ傘下のVARDによる船体設計で ”VARD 9 15” を採用。長さ150m、幅28mの船体は日本の自然条件に最適な仕様となっており、水深の浅い海域から深い海域まで幅広いエリアで高い稼働率の作業が可能。

総トン数19,000トン
長さ150m
28m
深さ12m
喫水7m(最大)
ケーブル容量9,000トン
甲板面積2,500m2
宿泊設備90人
DPSClass 2
クレーン250トン、100トン
(動揺低減機能付き)
その他の設備ヘリデッキ
4点係留装置
2×ROV システム
バッテリー蓄電
ケーブル敷設船の仕様

東洋建設のケーブル敷設船 建造タイムライン

建造タイムライン
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【動画】ノルウェーに到着したケーブル敷設船

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