「愛達・魔都号」に続く2隻目の中国大型クルーズ船、建造情報
2023年に完成し、2024年の元旦から処女航海をおこなった中国の大型クルーズ船「愛達・魔都号」(アドラ・マジック・シティ)に続く2隻目の建造が進められています。
建造しているのは1隻目と同じ中国船舶集団(CSSC)傘下の上海外高橋造船(SWS)。
建造中の2隻目は「愛達・魔都号」よりも大きい
2隻目の大型クルーズ船は長さ341m、幅37.2m、総トン数142,000トンという設計。「愛達・魔都号」よりも全長は17.4m長く、総トン数は6,500トン大きい。そして、硫黄酸化物(SOx)を処理する2基のスクラバーとSCR(Selective Catalytic Reduction:選択触媒還元)システムと呼ばれる窒素酸化物(NOx)を処理する装置により環境負荷削減への取り組みが実施され、グリーンクルーズ船であることをアピールしている。
船名 | 愛達・魔都号 | 建造中のクルーズ船 | 比較 |
総トン数 | 135,500トン | 142,000トン | +6,500トン |
長さ | 323.6m | 341m | +17.4m |
幅 | 37.2m | 37.2m | ±0 |
喫水 | 8.26m | 8.17m | ― |
エアドラフト | 72.2m | 不明 | ― |
客室数 | 2,125室 | 2,144室 | +19室 |
乗客数 | 5,246人 | 不明 | ― |
2隻目のクルーズ船は2022年8月に建造着手
2022年8月8日、上海外高橋造船でSteel Cutting Ceremony(鉄鋼切断式)がおこなわれ、2隻目の大型クルーズ船建造を開始。
2隻目の大型クルーズ船設計期間は、1隻目に比べて6ヵ月間短縮されているという。建造工程についても、プロセスや工法、建造設備などあらゆる面で効率改善が実施されており、建造サイクルはさらなる短縮が見込まれているそうです。
ドック内での建造を開始するKeel Laying Ceremony(キール敷設式)がおこなわれたという情報はまだ無い。少し気になります。
2隻とも元設計はCarnival Cruiseのビスタ級
出典:上海外高桥造船有限公司
出典:MarineTraffic | Gerald McCoy
クルーズ船「愛達・魔都号」の所有者である Adora Cruises Limited は、以前 CSSC Carnival Cruise Co., Ltd. という社名であったことからも分かりますが、2015年にCSSCとCarnival Cruise Linesは大型クルーズ船の所有と運航に関する合弁契約を締結しています。その後、2018年にフィンカンティエリ造船所のビスタ級クルーズ船設計に基づく2隻の建造および4隻の建造オプション、さらにCarnival Cruiseが運航中のクルーズ船購入に関するパッケージ契約を締結。
中国で建造したクルーズ船「愛達・魔都号」、そして2隻目のクルーズ船についても元設計はCarnival Cruise Linesのビスタ級に基づくものであるため、外観はそっくり。
2隻目の建造以降も建造オプションを行使すると、さらに追加で2隻、合計4隻を建造する可能性がある。
よく読まれている記事