「CISNE BRANCO」が歩道橋に衝突
2021年10月18日、エクアドルのグアヤキルとサンタイ島を結ぶ歩道橋にブラジル海軍の帆船「CISNE BRANCO」が衝突する事故が発生。事故による負傷者はいない模様。
事故原因の詳細は不明ですが、橋に接触する瞬間、接触後に引き出し中にボートが転覆する瞬間など、動画は多数ありました。
背の高い船CISNE BRANCOは橋と衝突しました, グアヤキルのビデオでタグを転覆
Tall ship CISNE BRANCO collided with bridge, capsized tug at Guayaquil VIDEOS | NVE CISNE BRANCO – FleetMon Maritime News
衝突の経緯
動画を参考に事故の経緯を確認。
最初に、歩道橋の開閉部が開けられた部分を通過した後に、川の流れに流されていく動画。
動画にはブラジル海軍の帆船「CISNE BRANCO」とは別に2隻のボートがいます。手前の小さい方の1隻は1,000ps未満くらい、動画奥の歩道橋下流側に1,000ps~2,000psくらいのボートが1隻。
川の流れに「CISNE BRANCO」が流され始めたときに小さいボートが舷側を押しに行きますが川の流れる力に負けてそのまま歩道橋へ流されていきます。
次の動画は歩道橋に接触する瞬間の動画。
歩道橋に接触する瞬間、舷側を押していた小さいボートはあきらめて下流側へ退避していますが、正解ですね。船が橋に接触すると橋の部材や接触した船の部材が落下してくることがあります。逃げないと危ないです。逆に「CISNE BRANCO」甲板上にずっと立っている人がいますが、危険予知が甘い。
次に、歩道橋に接触している「CISNE BRANCO」を上流側へ引き出して離脱する最中に後方でラインを取って補助する小さい方のボートが転覆する動画。
この動画だけ見るとどうやって引っ張られているのかわからない部分がありますよね。
とても気になったので全体が映っている動画を探しました。
そして見つけました。
それがこの動画。色んな場面が編集されている動画なので開始位置を調整してます。0:31~
事故原因の推察
今後、事故調査がされるでしょうが、現況で事故原因を推察してみました。参考までに。
恐らく「CISNE BRANCO」は下流側から上流側へ向かい航行するために開けられた歩道橋を通過後、何らかの原因によりエンジントラブルで操舵不能に陥り、川の流れで押されて歩道橋に接触。という流れが妥当な気がします。 動画にも川面に流木みたいな浮遊物が結構映っていたのでそれがプロペラに接触又は巻き込んでエンジントラブルにつながった可能性は高いでしょう。
最初から大きい方のボートが「CISNE BRANCO」に帯同して流され始めた時に横押ししてれば接触事故は未然に防げた可能性は十分にあります。
”川の流速は地元のパイロットによって過小評価され”という記事もあるので、ここまで川の流れが強いことを見誤った部分はあるでしょう。
その後のボートの転覆原因は単純な主曳船との連携不足から起きているように思えます。
衝突した歩道橋の場所
エクアドルのグアヤキルにあるグアヤス川に架かる歩道橋


訓練用帆船「CISNE BRANCO」

「CISNE BRANCO」はブラジル海軍の訓練用帆船。
船名の「CISNE BRANCO」は白鳥という意味。
オランダのDamen Shipyardで1999年に建造。2000年3月9日からブラジル海軍の船として就役。もちろん帆とは別にエンジンによる推進装置も搭載されている。最大速力はエンジン:11ノット、帆:17.5ノット。
船名 | CISNE BRANCO |
建造年 | 1999年 |
長さ | 76m |
幅 | 10m |
マスト高さ | 46m |
喫水 | 4m |
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