CadelerのSEP起重機船「Wind Ally」引き渡し


2025年9月25日、Cadelerは中国の江蘇省 啓東市にある中遠海運重工(COSCO Shipping Heavy Industry)で建造していたA-class1隻目となるSEP起重機船「Wind Ally」の引き渡しがおこなわれたことを発表しました。
SEP起重機船「Wind Ally」は、Cadelerが保有するSEP起重機船として9隻目。就航後は、Ørstedが開発を進める北海の「Hornsea 3 offshore wind farm」でモノパイル基礎の輸送・設置(T&I:Transport and Installation)に従事する予定。
船名 | 建造番号 | クレーン能力 | 着工 | 起工 | 進水 | 引き渡し(予定) |
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Wind Peak (P-class①) | N1063 | 2,600トン | 2022年6月 | 2023年7月 | 2024年1月 | 竣工 2024年8月 |
Wind Pace (P-class➁) | N1064 | 2,600トン | 2023年2月 | 2024年2月 | 2024年6月 | 竣工 2025年3月 |
Wind Ally (A-class①) | N1130 | 3,300トン | 2023年9月 | ? | 2025年1月 | 竣工 2025年9月 |
Wind Ace (A-class➁) | N1131 | 3,000トン以上 | 2024年7月 | 2025年9月 | ― | (2026年第3四半期) |
Wind Apex (A-class③) | N1149 | 未公表 | 2025年7月 | ― | ― | (2027年上半期) |
Wind Maker (M-class①) | No.3306 | 2,600トン | ? | 2024年3月 | 2024年6月 | 竣工 2025年1月 |
Wind Mover (M-class➁) | No.3307 | 2,600トン | ? | 2024年11月 | ― | (2025年第4四半期) |
3,300トン吊りSEP起重機船「Wind Ally」

CadelerのA-class1隻目にあたるSEP起重機船「Wind Ally」。A-classは、洋上風力タービンと基礎の大型化と複雑化に対応するために設計されている。
Cadelerのプレスリリースによると、SEP起重機船「Wind Ally」に搭載されているメインクレーンの吊り上げ能力は作業半径39mで3,300トン以上だという。さらりと説明されていましたが、SEP起重機船として3,300トンのクレーン能力は世界最大。
甲板スペースは5,600m2で積載量は18,000トン以上。最大130人を収容可能。15MWの風力タービン7セットまたはXXLモノパイル6基を自船に積んで輸送・設置することが出来る。この効率性により、輸送回数と総所要時間が削減され、設置作業の効率が向上し、プロジェクト全体の安全性と持続可能性が向上。
そして、A-classに施されたハイブリッド設計により、基礎設置と風力タービン設置の迅速な切り替えが可能。これについては、どのような仕組みのことを指しているのか未だに不明。
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