ロシア トゥアプセ沖の黒海で自動車運搬船「LIDER BULUT」が座礁

　2022年6月18日、ロシアの黒海、トゥアプセ港前で右舷に傾いた状態の自動車運搬船「LIDER BULUT」が救助を要請。ロシア当局は、救助船を派遣。

　場所が場所なだけに、座礁事故以外の緊迫感があります。オデーサ沖合の黒海にあるガス田プラットフォームがウクライナ軍のミサイル攻撃を受けたという情報もあるし。トゥアプセは、オデーサやマリウポリにも近いウクライナとの国境付近。

自動車運搬船「LIDER BULUT」座礁

　トルコのサムスンからロシアのノヴォロシスクへ向けて航行中の自動車運搬船「LIDER BULUT」が2022年6月18日に右舷側へ船体が10度以上傾き、救助を要請。燃料等の油流出は無く、死傷者も報告されていない。トルコとジョージアの乗組員28名は全員無事。

　「LIDER BULUT」は自動車運搬船なので船尾にランプウェイがあり、車両を自走させて搭載、揚陸させることが出来るRO-RO船。

RO-RO船とは？

RO-RO船（roll-on/roll-off ship）とは、フェリーのようにランプを備え、車両を収納する車両甲板を持つ貨物船のこと。車両甲板のおかげで搭載される車両はクレーンなどに頼らず自走で搭載/揚陸できる。

　船が傾いた原因は分かりませんが、バラストシステムが誤作動して船が傾いたという情報と船底の一部が破損して機関室が浸水して船が傾いたという情報があります。何が原因かは不明ですが、船体が何らかの原因で傾いた後、転覆するのを防ぐために浅瀬で意図的に船を座礁させたのは正しい情報かと思います。つい最近起きた日本の貨物船座礁事故でも同じことをやってました。

　座礁後におこなった調査で、船体にいくつかの穴が空いていることが確認されています。

　自動車運搬船「LIDER BULUT」がトルコからロシアへ運搬していたのは果物や野菜だったと伝えられています。これだと尚更ウクライナ軍に狙われてしまわないか心配ですね。

Russie : Le navire Lider Bulut sous pavillon du Cameroun est en détresse près de Touapsé.

Le navire transporte des voitures. Il a été lancé il y a 22 ans.

Selon des données préliminaires, ces jours-ci, le cargo naviguait entre Novorossiysk et la ville de Samsun en Turquie. pic.twitter.com/EOlQt09eSc

— Rebecca Rambar (@RebeccaRambar) June 18, 2022

　AIS情報を確認するとロシアの救助船「SPASATEL DEMIDOV」が到着してました。

　船を修理・安定化させて、トゥアプセまで曳航する作業が進行中。