DemoSATHは、Saitec Offshore TechnologiesとRWE Renewablesがスペインで行っている実証事業。その試験機(プロトタイプ)の陸上での組立が完了。
実証事業DemoSATH
2020年2月、Saitec Offshore TechnologiesとRWE Renewablesは、スペインのバスク海岸沖にて洋上風車用浮体式プラットフォームの共同実証試験に取り組むことを発表。
採用されている”SATH TECHNOLOGY”と呼ばれる浮体のプラットフォームコンセプトは、双胴船型の浮体をベースにしたユニークなもので、他にも特徴がいくつかある。
シングルポイント係留
シングルポイント係留とは、いくつかの係留ラインを1点に集め浮体と接続する係留方法。FPSO(Floating Production Storage and Offloading System、浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)などでも使用される。浮体式洋上風車の係留方法として採用するメリットは、固定した係留点を中心に風や波に合わせて浮体が回転するので発電効率と耐天候性能の向上が見込まれる。
また、係留ラインを1点に集約するので接続システムが簡素化され、着脱が通常の係留に比べ容易。
DemoSATHでは、6つの高把注力アンカーをチェーンと繊維ロープのハイブリッド係留索に繋ぎ浮体を固定する。
この係留設備は2022年5月に海域へ設置済み。
係留設備の設置を行ったのは、アンカーハンドリング船「MAERSK MARINER」。全長95m、幅25m、深さ11m、総トン数10,181トン。
この高把注力アンカーよく見かけますが、他にメーカーないんでしょうか。
浮体式洋上風車組立
プロトタイプの組立は、スペインのビルバオ港で2020年11月に開始。
浮体になる2基の円筒形部材は直立した状態で、1基あたり3分割で製作。
3分割で製作した円筒形の浮体をクレーン2台で相吊りして一体化させていく。
浮体部分の上にトランジションピースを載せて、その上に風車を組み立てていく。
3枚のブレードは、地上でハブに連結して一括設置。
完成。
いろいろ記事を見ましたが、進水方法については見つけることが出来ませんでした。
少し底の部分に空間があるので、重量物運搬車両で半潜水式台船に移動させてから進水するのかもしれません。吊上げて進水する可能性もありますが。残念ながら詳細不明です。
2020年時点での設置時期は2021年になっていましたが、色々な影響で遅れているようで、2022年後半に設置予定となっていました。もう少し設置までは時間がかかりそうです。
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