世界初となる硬翼帆搭載の石炭輸送船「松風丸」完成

世界初となる硬翼帆搭載の石炭輸送船「松風丸」完成船舶

 世界初となるウインドチャレンジャーと呼ばれる硬翼帆式風力推進装置を搭載した石炭輸送船が完成。風力を船の推進力として活用する「ウインドチャレンジャープロジェクト」は、2018年1月から産学共同研究を引き継ぐ形で商船三井と大島造船所が共同で開発を進めてきた。

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ウインドチャレンジャー搭載 石炭輸送船「松風丸」完成

 2022年10月7日、長崎県西海市にある大島造船所でウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)を搭載した石炭輸送船「松風丸」(しょうふうまる)が竣工し運航を開始した。船名の「松風丸」は、船籍港となる秋田県能代市の「風の原」とウインドチャレンジャーの「」を組み合わせて命名されたそうです。

船名松風丸
(しょうふうまる、SHOFU MARU)
長さ235m
43m
載貨重量トン数100,422トン
船籍港能代港
「松風丸」の概要

硬翼の高さは最大53m

 搭載されているウィンドチャレンジャーと呼ばれる硬翼帆の材質は繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)、いわゆるFRP製。4段式の伸縮構造になっており、縮めた状態で高さ約23m、最大まで伸ばすと高さ53mに達する。

5~8%のGHG削減効果

 世界初のウインドチャレンジャーを搭載する石炭輸送船「松風丸」は今後、東北電力の専用船として、主にオーストラリアやインドネシア、北米等からの石炭輸送に従事する予定。

 硬翼帆は風から推進力を得ることでGHG排出量を削減。その効果は、従来の同型船と比較して、日本-豪州航路で約5%、日本-北米西岸航路で約8%削減されると見込まれている。

GHG排出量とは?

 GHG排出量とは、GHGはGreen House Gasの略で、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの排出量のこと。

早速、オーストラリアへ向けて出港

 完成した「松風丸」は早速、初仕事へ向けて出港。行き先はAIS情報によると”AUS NTL”、オーストラリアのニューキャッスル。

ウインドチャレンジャー搭載船2隻目も建造予定

「ウインドチャレンジャー」と「ローターセイル」を搭載したばら積み船のイメージ図
出典:Anemoi Marine Technologies

 2022年8月10日に商船三井が発表したプレスリリースによると、2隻目となるウィンドチャレンジャー搭載船の建造契約を大島造船所と締結。2024年竣工予定で、ウィンドチャレンジャーだけではなく推進補助装置「ローターセイル」の搭載も検討されているそうです。

「ローターセイル」(ROTOR SAIL)とは?

 「ローターセイル」(ROTOR SAIL)とは、イギリスのAnemoi Marine Technologiesが開発を行う推進補助装置。航行中、回転している筒状のローターに風が吹き込み、マグナス効果により、回転ローターに吹く風から揚力を発生させるという仕組み。ローター周りに圧力差が生じることで推進力を得るそうです。

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