石油リグを移動式ミサイル防衛および補給基地に変換
2024年4月8日から10日にかけてメリーランド州のGaylord National Resort & Convention Centerで開催された「Sea Air Space 2024」でLeidos傘下のGibbs & Coxは、石油リグを移動式ミサイル防衛および供給基地に変換するコンセプトを示しました。
Mobile Defense/Depot Platform(MODEP)、機動防衛・補給基地プラットフォーム構想において、石油掘削リグを移動式ミサイルおよび補給基地に変換し、西太平洋における米海軍の軍備と補給能力問題に対処することを目指しているという。
デッキが高い位置にある石油リグは水面からからデッキまでの乾舷が大きく、各種レーダーやセンサーを設置する位置が水面上45m~95mと高くなるため、ミサイル防衛の観点から視認性に優れている。広大なデッキには、VLS(Vertical Launch System)と呼ばれるミサイル垂直発射システムで128セル、または25の大型ミサイルセルを各隅に配置可能。最大でVLS 512セルまたは100の大型ミサイルセルを配置。
デッキには100トン吊りのクレーン2基が搭載されており、自船への物資積載に加えて他の船舶や潜水艦に物資を積載することを想定。
船体は自航式で航行速力は5~8ノット、1日当たり約200海里を航行可能で航続距離は4,000海里。半潜水式の船体がもつ大きな特長として安定性が挙げられますが、波高60フィート(約18m)の海域でも安定性を保持することが出来るという。
軍事用への変換作業は24カ月以内
Gibbs & Coxは、低コストで変換可能な商用石油プラットフォームがアメリカに4~6隻いることを確認しており、軍事用へ変換する作業は24カ月以内に完了すると述べている。
石油リグを変換するという点は、カーボンニュートラルや脱石油といった流れに乗り、さらに再利用するという部分はサステナブルな雰囲気を醸し出しているので、目の付け所は良いように見えます。ただ、新造船ではないため個々の案件でそれぞれの元船に対して調整が必要となるため簡単な作業ではなく、メリットばかりではない。
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