「振華30」による重量10,200トンの洋上変電所ジャケット設置

「振華30」による重量10,200トンの洋上変電所ジャケット設置 洋上風力発電
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「振華30」による重量10,200トンの洋上変電所ジャケット設置

半潜水式バージからジャケットを吊り上げるクレーン船「振華30」(重量:10,200トン)
出典:船海装备网(SHIPOE.COM)

「三峡陽江青洲五、七洋上風力プロジェクト」でアジア最大の12,000トン吊りクレーン船「振華30」(Zhen Hua 30)による重量10,200トンの洋上変電所ジャケット設置がおこなわれました。

「三峡陽江青洲五、七洋上風力プロジェクト」(Three Gorges Yangjiang Qingzhou Ⅴ、VII)は、広東省 陽江市 陽西県 沙扒鎮から沖合74km、水深45~53mで12MWの風力タービン118基、13MWを23基、13.6MWを21基、そして浮体式の16MW風力タービン1基を設置する計画で総発電容量は2GW。2026年6月から順次運転を開始して、2026年12月にフル容量の運転開始を予定している。

ジャケット設置をおこなったクレーン船「振華30」の最大吊り上げ能力は船尾固定状態で12,000トン、旋回時の最大能力は7,000トン。ジャケットを吊り上げる画像を見ると、クレーンを船尾固定状態にしての作業に加えて、Aフレームから自船甲板へワイヤーが取り付けられているのが確認できます。同様の状態で作業することは以前にもありましたが、恐らくジャケット重量が10,200トンある上にサイズが大きいため、最大吊り能力のアウトリーチを長くするための手段だと思われます。

8本のジャケット基礎杭は1本当たり重量907トン

中国メディアで報じられている情報によると、巨大な洋上変電所ジャケットを固定する基礎杭は8本。そして、基礎杭は長さ115m、直径5m、重量907トン。とんでもない大きさ。

上海振華重工グループは、クレーン船「振華30」での施工にあたって設置プロセスを特別にカスタマイズし、基礎構造の大型化と施工に求められる高精度という2つの主要な課題を克服したという。クレーン船、半潜水式バージ、ジャケットの相対位置や重量、波浪による影響をリアルタイムに算出して動的安定性を確保。

トップサイドの重量は17,000トン

このたび設置がおこなわれたジャケットに搭載する洋上変電所トップサイドの大きさは、長さ85.5m、幅82.5m、高さ44m、重量17,000トン。

さすがにアジア最大のクレーン船「振華30」でも17,000トンのトップサイド設置は不可能。ジャケット形状は中央にスペースを設けた構造となっていることから、輸送台船にトップサイドを搭載してフロートオーバーと呼ばれる方法で設置作業がおこなわれるものと思われます。

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