中国でTLPに16MW風力タービンを搭載する実証プロジェクト開始

2025年2月19日、中国の山東省青島で中国海洋石油(CNOOC)陸豊(Lufeng)油田群クリーンエネルギー電源転換実証プロジェクト(陆丰油田群清洁能源电力供给改造示范项目)が始動。
陸豊(Lufeng)プロジェクトでは、TLP(Tension Leg Platform)方式の浮体基礎に16MW風力タービンを搭載。発電した電力は陸豊油田群に送電され、年間5,400万kWhのグリーン電力を供給し、二酸化炭素排出量を約3万5,000トン削減するという。
TLP方式の浮体式洋上風力発電設備で単機出力16MWは世界最大。
設置場所は陸豊14-4の北西に位置し、広東省東部の沖合136km、水深136mの海域。プロジェクトの建造工程を開始した山東省青島からは遠く離れており、直線距離で1,600km以上離れた場所。
浮体は9本の係留ラインで緊張係留により係留され、台風並みの風力階級17(56.1~61.2m/s)という風を受けても安定性を確保し、プラットフォームの傾斜角は1°を超えないと報じられています。
TLP方式の浮体係留方法とは?
TLP(Tension Leg Platform)方式は、海底に設置した基礎(反力)との緊張係留により浮体を係留する方式。
波浪中における浮体の高い安定性から大型風力タービンをコンパクトな浮体に搭載することが可能で、発電コストの低減が期待されている。TLP方式の係留索は、高把注力アンカーなどのカテナリー係留方式に比べて海面下での占有面積を抑えることができ、漁業や船舶運航など既存事業への影響をより小さくする効果に加えて、洋上風力タービン設置時のレイアウトを考えると同じ設置面積の場合、従来の方法に比べてより多くのタービン配置が可能になる。
よく読まれている記事