ドイツのロストックにあるEEW SPCがアメリカ初の商業規模での洋上風力発電所となる「Vineyard Wind 1」向けのモノパイルを製造。重量は1,895トン、これまでにEEW SPCが製造した中で最も重たいモノパイルになるそうです。
EEW SPCが「Vineyard Wind 1」のモノパイルを製造
ドイツのロストックにあるEEW SPCがアメリカ初の商業規模での洋上風力発電所「Vineyard Wind 1」向けのモノパイルの中で最も重たい1,895トンのモノパイルを製造。これまでにEEW SPCが製造したモノパイルで最重量だったのは、2022年7月に製造された「BALTIC EAGLE OFFSHORE WIND FARM」向けのモノパイルで重量は1,421トン。あくまでもEEW SPCの社内記録ですが、一気に500トン以上も記録を更新。
EEW SPCでは、2023年の夏までに98,000トン以上のモノパイル製造が行われる予定。「Vineyard Wind 1」の風力タービン設置数は62基なので、平均するとモノパイル1本当たり1,580トン。モノパイルの直径は9.6mで、長さは最長のもので85m。
モノパイルの他に「Vineyard Wind 1」で使用するトランジションピースはスペインで製造されています。
「Vineyard Wind 1」について
アメリカ初の商業規模での洋上風力発電所となる「Vineyard Wind 1」。
「Vineyard Wind 1」は、アメリカの北東部に位置するマサチューセッツ州のマーサズ・ヴィンヤード島沖15マイルに建設予定。設備容量は800MW。設置する風力タービンはGEの「Haliade-X 13 MW」、設置数は62基。2023年に運転を開始する予定。
モノパイル、トランジションピース、風力タービンの設置及び洋上変電所の基礎とトップサイド設置を請け負っているのは、DEME Offshore US。使用が予定されているのは、DEME が所有するSEP起重機船「SEA INSTALLER」。DEMEからは発表されていませんが、現在オランダのロッテルダムで1,600トン吊りのクレーンに載せ替えるアップグレードを行っているようです。終わり次第、アメリカへ向かうものと思われる。
例の特許訴訟で除外されたプロジェクト
2022年9月、SIEMENS GAMESAがGEに対して起こしていたアメリカでの風力タービンの特許裁判でHaliade-Xが米国内での製造・販売禁止という裁定が下され、特許使用料を支払うことで米国内での販売を許可された2件のプロジェクトの内の1件が「Vineyard Wind 1」。
GEがSIEMENS GAMESAに支払う特許使用料は1MWあたり30,000ドル。プロジェクト全体では2,418万ドル。日本円に換算すると約34億6千万円(1ドル=143円として換算)。
判決から除外されたもう1件のプロジェクト「Ocean Wind 1」(1,100MW)の特許使用料については、さらに高額となる1MW当たり60,000ドルの支払いを命じる判決が下されています。プロジェクト全体の特許使用料は、6,600万ドルにのぼる。
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