突風を検知する新システム「Wind Gust Buster」発表
2023年10月17日、Huismanは接近してくる突風の風速や風向などの予測情報をクレーンオペレーターに提供する新システム「Wind Gust Buster」を発表。クレーンブーム先端の周囲360度から入ってくる風況予測情報により、高い位置で大きな部材の取付をおこなうブレード設置などでクレーンオペレーターや監督する作業責任者の意思決定を支援するという。
クレーンブームの先端にLiDARシステムを搭載
「Wind Gust Buster」は、クレーンブームの先端にレーザー光を用いたリモートセンシング技術の1つであるLiDARシステムを搭載し、最大10km先の風速・風向を計測可能。測定データはシステムによって処理され、クレーンオペレーターだけでなくクレーン船ブリッジなどにも出力することが出来る。
一般的な予測機能では突風が予想される5~8分前に設定されており、ブレード設置作業の可否判断を決定するのに十分な時間があるとしている。
既存クレーンにも搭載可能
Huisman製の新設クレーンへ設置出来ることは当然ですが、既存クレーンへ後付けで「Wind Gust Buster」を搭載することが出来るという。
掲載記事の中でHuismanのクレーン製品ディレクターは、ハイキング前に雨雲レーダーをチェックすることを例に挙げ、風力タービン設置では同様のことがおこなわれていないと述べている。「Wind Gust Buster」によって設置作業全体の安全性向上だけでなく、ブレードのスタッドボルトなど部品への損傷軽減にもつながり、安全面に加えてコスト削減と施工速度の向上に貢献するとしている。
「Travelling Load Stabilising System」との組み合わせ
Huismanは掲載記事の中で「Wind Gust Buster」の開発は、洋上風力タービン設置を改善するといったHuismanの理念に基づいているという。そして、同じ理念に基づいてSiemens Gamesaとともに最近開発されたのが、ブレード設置時の動きを制御する「Traveling Load Stabilizing System」。
「Travelling Load Stabilising System」は、吊荷を制御するため2組のタガーを組み合わせた構成になっている。1組はクレーンブームに沿って上下するトロリーに取り付けられた水平方向のタガーで、フックブロックの動きに自動で追従する。もう1組はクレーンの先端から展開される垂直方向のタガー。2つの異なる方向から吊荷の動揺を制御することで優れた安定性を発揮。
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