フーシ派の攻撃で大規模油流出が懸念されるタンカーのサルベージ計画

フーシ派の攻撃で大規模油流出が懸念されるタンカーのサルベージ計画 事件・事故
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フーシ派の攻撃で大規模油流出が懸念されるタンカーのサルベージ計画

イランの支援を受けたイエメンの武装組織フーシ派による攻撃を受けたギリシャ船籍のタンカー「SOUNION」。乗組員は全員避難していますが、タンカーには15万トンの原油が積まれており、大規模な油流出が懸念されています。

2024年8月29日、ギリシャはIMO(International Maritime Organization:国際海事機関)に緊急通知を提出し、環境被害の防止と状況の早期解決に協力するよう、すべての国と関係者に要請。報道情報によると、Boskalisがタンカー「SOUNION」のサルベージ作業について依頼を受けたという。

BoskalisのSMIT salvageは数多くのサルベージ作業を遂行した実績があり、今回の任務についても作業を遂行する能力は十分ある。しかし、サルベージ作業の最中にフーシ派から攻撃がある可能性など、通常の作業には無い危険性が指摘されています。タンカー「SOUNION」甲板上では、爆発によって火災が起きていることに加えて、船には爆発物が仕込まれている恐れがあるという情報も・・。

タンカー「SOUNION」に積まれている原油を別の船に移送する計画が練られているということですが、まずは計画を進めるための調査がおこなわれる予定。

最初の攻撃は8月21日

2024年8月21日にイエメンのホデイダから西へ72海里の紅海を航行中に最初の攻撃を受けたタンカー「SOUNION」は、機関喪失により航行不能の状態に陥った。8月22日には、乗組員25人が救助され、ジブチに無事移送。死傷者は報告されていない。そして、8月23日に起きた爆発により、甲板上の少なくとも5か所で火災が発生。

8月28日、タンカー「SOUNION」からの油流出を確認

Boskalisは2023年にFSOから約114万バレルの原油抜き取りを実施

国連主導によるイエメン沖のFSO「Safer」原油抜き取り開始
FSO「Safer」に係留した多目的支援船「Ndeavor」とVLCC「Yemen」
出典:Boskalis

Boskalisは、2023年8月に全長362mのFSO「Safer」に積まれた原油、約114万バレルを抜き取ってVLCC「Yemen」へ移送する作業を完了しています。原油約114万バレルをトン数に換算すると、約15.5万トン。積まれていた原油の量は今回のタンカー「SOUNION」とほぼ同じ。

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