ロケット回収船「星際帰航」間もなくミッション開始
中国の江蘇省揚州市にある江蘇潤揚船業で星際栄耀航天科技集団（i-Space）向けに建造したロケット回収船「星際帰航」（星际归航、Xing Ji Gui Hang）のミッションが間もなく開始されるという。
「星際帰航」はロケット回収船という名前の通り、打ち上げたロケットを再利用するために洋上で回収するという目的で建造されている。船体寸法は長さ100ｍ、幅42ｍ、深さ6.5ｍ、ロケットを回収する甲板スペースは60ｍ×40ｍ＝2,400m2。DP2の自動船位保持装置（DPS）を搭載しており、定点保持のためにプロペラを備えていますが、非自航式。
双曲线三号中大型可重复使用液氧甲烷运载火箭
（双曲線3号中型および大型再利用可能液体酸素メタンロケット）
针对未来星座组网、空间站货物运输等高频次、大规模太空运输需求，该火箭通过牵制释放、一子级回收多次重复使用，全箭级故障诊断及健康检测、在线重构等技术途径实现高可靠、低成本和快速发射。该型火箭目前已完成详细设计，正在进行全面投产及相关试验验证工作，计划于2025年年底前后首飞及海上回收，2026年复用飞行。
（将来のコンステレーションネットワークや宇宙ステーション貨物輸送といった高頻度・大規模宇宙輸送のニーズに応えるため、このロケットは、拘束放出、複数回再利用のための第一段回収、ロケットレベルの故障診断と健全性監視、オンライン再構成といった技術により、高い信頼性、低コスト、迅速な打ち上げを実現します。ロケットは詳細設計を完了し、現在、本格的な製造と関連する試験・検証作業を実施中です。初飛行と海上回収は2025年末頃、再使用飛行は2026年に予定されています。）
ロケット回収船「星際帰航」は、「双曲線3号（SQX-3）」と呼ばれるロケットのブースター回収用に建造が進められており、星際栄耀のウェブサイトに掲載されている情報では2025年末に最初のロケット回収作業、2026年に回収したブースターの再利用を実施するというスケジュールが記載されています。したがって、予定通りならば数日中に「双曲線3号（SQX-3）」の打ち上げがおこなわれ、切り離されたブースターをロケット回収船「星際帰航」に着陸させるという作業がおこなわれる。
| 長さ | 69.6ｍ |
| ロケット本体直径 | 4.2ｍ |
| ペイロードフェアリング径 | 5.2ｍ |
| 離陸質量 | 491トン |
| ペイロード | 回収時：8.5トン 非回収時：14トン |
ブースター回収に重要なグリッドフィンシステムの検証試験完了
星際栄耀航天科技集団（i-Space）は2025年12月に「双曲線3号（SQX-3）」のグリッドフィンシステム検証試験に成功したことを発表。再使用型ロケットである「双曲線3号（SQX-3）」の再突入段階における空力減速は、大気圏飛行中のグリッドフィンによるロケットの姿勢制御の精密さに依存しているという。
「双曲線3号（SQX-3）」は、中間段部に4枚のグリッドフィンをX字型に配置。使用するグリッドフィンは、フル3Dプリントプロセスを採用し、可変厚のグリッド壁と可変スイープ角設計を特徴とすることで、優れた空力性能を実現。また、展開／駆動振動を統合した設計も採用。
グリッドフィンシステム検証試験には、展開ロック試験と振動試験という2つのサブテストが含まれていた。真空下でグリッドフィンの展開ロックと大気圏内での制御振動の機能と性能指標を検証し、試験結果はグリッドフィンシステムの展開ロック機能に協調性があり信頼性が高く、振動動作は正確かつ迅速であり、設計要件を満たしていることを示していたという。
検証試験の成功は、再突入時のロケット姿勢安定化と回収ポイントの精密制御にとって重要で、「双曲線3号（SQX-3）」の今後の初飛行および回収ミッションの確固たる基盤を築くと述べている。
グリッドフィンシステム検証試験
「双曲線3号（SQX-3）」アニメーション動画
よく読まれている記事