これまでの吊り上げ世界記録を大幅に塗り変える17,000トンという大記録が誕生。記録を更新したのは世界最大の吊り上げ能力を誇るオランダの「Sleipnir」。半潜水式と呼ばれる船体に搭載されているクレーンの最大吊り上げ能力は2万トン。
Sleipnirが17,000トンのトップサイドを設置
2022年10月4日、Heeremaが所有する20,000トン吊りクレーン船「Sleipnir」により、デンマーク沖合の北海にあるタイラ油田のトップサイドが設置された。吊り上げた重量は、クレーン船による吊り上げ記録として世界最大となる17,000トン。
Heerema breaks lifting record with 17,000 metric ton TotalEnergies’ Tyra TEG module
(Heeremaは17,000トンのTotalEnergygiesのTyra TEGモジュールで持ち上げ記録を破る)
Heerema breaks lifting record with 17,000 metric ton TotalEnergies’ Tyra TEG module
重量の割に簡素化された吊具
画像を見ると17,000トンを吊り上げるとは思えないほど吊具が簡素。「Sleipnir」が巨大なので使用しているワイヤーが細く見えるのと、吊り点数が少ないからそう見えるのかも。でも簡素化されて吊り点数が少ない分、使用するワイヤーは間近で見ると激太。👇下の画像は過去の違う現場でジャケット・トップサイド撤去時のワイヤリング状況ですが使用しているワイヤーは今回と同じくらいだと思います。ワイヤー径500mmくらいはありそう。
うしろに写るSEP船は作業する方の宿泊施設
「Sleipnir」が作業する後ろに写るSEP船。気になったので調べてみるとMacro Offshoreの完全子会社Jacktelが所有する大型宿泊設備を備えたSEP船「haven」。タイラ油田の作業に従事する方の宿泊設備。AISを見ると表示されてました。
大型宿泊設備を備えたSEP船「haven」は、2011年に建造。長さ117.6m、幅50.0m、深さ9m、最大収容人員は444人。建造時のレグ長さは130mでしたが、2018年に30m延長して160mに。水深120mまで対応可能になった。
これまでの吊り上げ記録は15,300トン
今回の「Sleipnir」による17,000トンの吊り上げ記録が出る前のクレーン船による吊り上げ記録は2019年9月に同じく「Sleipnir」が吊り上げたLeviathanガス田のトップサイドで、重量は15,300トン。
Sleipnir’s first project makes waves with record-breaking 15,300 metric ton lift
(Sleipnir の最初のプロジェクトは、記録破りの 15,300 トンのリフトで波を起こします)
Leviathan l Heerema
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