Arcadis Ost 1で洋上風車設置作業を行う「Thialf」をサポートするFugroのカメラ技術QuickVision。人的リスクを軽減し、カメラによるリモート操作ながら設置精度は2cm未満という驚異的な技術。
風車設置を2cm未満の精度で支援 カメラ技術QuickVision
ドイツのArcadis Ost 1で洋上風車設置を行う14,200トン吊りクレーン船「Thialf」。海底地盤の条件によりSEP起重機船での施工が難しいという理由からRotor Nacelle Assembly (RNA) methodと呼ばれる工法を使用してフローティングクレーンで施工が行われています。
この「Thialf」によるRNA工法を支援しているのがFugroのカメラ技術QuickVision。
フローティングクレーンを使用して施工を行う上で最大の課題とされていたのが、浮いているクレーンで吊り上げている部材を着底しているモノパイルの上部に設置する時の相対関係をどのように管理するのかという点。
QuickVisionでは、位置関係を管理したい構造物にターゲットを取り付けてカメラで撮影することにより、リアルタイムで正確な相対位置を測定することが出来るという。さらに、方位、傾斜、高さなどの情報も画面上に出力可能。この技術により、RNA工法による設置時の位置決め、据え付け段階の正確な監視が可能となり、2cm未満という精度の設置が行えるそうです。
もともとQuickVisionは、ROVに組み込んで海底での構造物設置を支援するために開発されたという経緯があり、今回のRNA工法による設置では、従来のものに現場の条件に合わせた機能を追加することで拡充させたものを使用している。
Fugroのカメラ技術QuickVision
QuickVisionについての紹介動画。
約2年前にアップされた動画なので、ROVを使用したQuickVisionについての説明動画になっており、今回のRNA工法で使用されたものとは違いますが、概要としては理解しやすい。
ROVを使用して海底での設置を行う場面では、拡張現実(AR)技術を使用してカメラの出力画面にガイドポイントをリアルタイムで表示。ノートパソコンには平面的な誘導画面。
拡張現実を使用したリアルタイムの誘導方法はすごいと思う。日本の現場でも導入されているんでしょうか。
人が容易に行けない海底というところから開発された技術なので、他で使用すると合図者などの人がいなくても作業が出来るという状況が生まれる。合図者が行けないような危険な作業ってどうなのかという話にもなりかねませんが、人的リスクを軽減させることができるというのはメリットになりそう。
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