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浮きクレーンによる洋上風車の効率的な組立方法RNAメゾッド

浮きクレーンによる洋上風車の効率的な組立方法RNAメゾッド 洋上風力発電

 ドイツのArcadis Ost 1で洋上風車設置を行う14,200トン吊りクレーン船「Thialf」が採用しているRotor Nacelle Assembly (RNA) methodについて。

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浮きクレーンによる洋上風車の効率的な組立方法RNAメゾッド

出典:Heerema Marine Contractors

 ドイツのバルト海で建設が進められている洋上風力発電所「Arcadis Ost 1」では、軟弱な海底地層が厚いためSEP起重機船による施工が難しいという理由からHeerema Marine Contractorsが所有する「Thialf」によりタービン設置が行われています。

着床式洋上風車をSEP起重機船以外で施工する理由について記載した記事

解決方法はRotor Nacelle Assembly (RNA) method

 SEP起重機船と浮いているクレーン船との施工する上での大きな差は、船体の動揺。そして、洋上風車を組み立てる中で最もリスクの高い作業がブレードの設置。この2つの大きな問題を解決する方法として考えられたのがRotor Nacelle Assembly (RNA) method

甲板上のサポートタワーを使用してナセル、ハブ、ブレードの一体化を行う
出典:Heerema Marine Contractors

 甲板上に設置したサポートタワーを使用してナセル、ハブ、ブレードの一体化を行う。この時、ブレードの設置には、GREP(Guided Root End Positioning tool)と呼ばれるブレードの取付を安全にそして効率的に行うためのブレード設置ガイドを使用。

一体化したナセル・ハブ・ブレードを一括で設置
出典:Heerema Marine Contractors

 一体化したナセル・ハブ・ブレードを吊り上げて、タワーの設置が完了した場所に一括で設置。非常に効率的で安全。

 「Thialf」のような仕様のクレーン船は稀ですが、船上にクレーンを2基搭載していれば、1基はタワーの設置、そしてもう1基はナセル・ハブ・ブレードの一体化という具合に並行して施工をおこなうことが可能。なお一層施工を効率化することができる。

フランジ接続技術「C1 Wedge Connection」

 サポートタワーとして使用されている「Thialf」甲板上に設置された青いタワーには、「C1 Wedge Connection」と呼ばれるフランジ接続技術を採用。

「C1 Wedge Connection」による接続
出典:C1 Connections

 従来型のフランジ接続では延長する方向に対してフランジが垂直ですが、「C1 Wedge Connection」は延長方向とフランジが平行。そして、ボルトナットでフランジを締め付けて固定するのではなく、楔形の形状をした専用の部材を使用して固定。

“Wedge”という言葉の意味は”楔(くさび)”

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来島海峡で水深60mの海底に沈んだ全長約170mの「白虎」引き揚げをはじめ、日本国内でも多くのサルベージオペレーションがおこなわれています。
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