「South Fork Wind」で洋上変電所設置
ニューヨーク州 ロングアイランド島東の沖合で建設中の「South Fork Wind」で、重量1,500トン、高さ60フィート(約18.3m)の洋上変電所トップサイド設置が完了。設置をおこなったのは、Boskalis所有の4,000トン吊りクレーンを搭載した自航式クレーン船「BOKALIFT 2」。
「BOKALIFT 2」は、2023年6月から「South Fork Wind」でモノパイル基礎の設置をおこなっており、その流れで変電所トップサイドを設置。モノパイル打設作業が開始された時に、1本目のモノパイルが洋上変電所用であることが明らかにされていました。
米国内で製造した初めての洋上変電所
洋上変電所トップサイドは、テキサス州イングルサイドにある Kiewit Offshore Services で製造がおこなわれ、今回「South Fork Wind」に設置したものが米国内で建造された初めての洋上変電所になるそうです。
Kiewit Corporationは、北米最大の建設会社の1つ。トップサイドを製造したテキサス州イングルサイドのヤードには、巨大な陸上クレーンがある。
13,000トン吊りの Heavy Lifting Device
2001年に11ヶ月の建設期間を経て完成した13,000トン吊りの「Heavy Lifting Device」。主に、洋上プラットフォームの建造で使用されるという。
Kiewit Corporation で紹介されている情報によると、アウトリーチ225フィート(約68.58m)で13,000トンの吊り上げ能力があるそうです。高さは550フィート(約167.6m)あり、西半球(in the Western Hemisphere)最大の陸上クレーンとして紹介されています。
”西半球” という言い回しが気になりますが、逆に言うと東半球にはもっと大きなクレーンがあるという事になる。私が知る限り、13,000トンの吊り上げ能力は陸上のジブクレーンとしては世界最大。ジブクレーン以外も含めた陸上にある揚重機械ということになると、門型クレーン、ゴライアスクレーンが入ってくるので確かに世界最大では無くなってしまうかも。
ギネス世界記録に ”heaviest weight lifted by crane” として認定されているのは、中国の Yantai CIMC Raffles にある20,000トン吊りの「Taisun」(泰山)。門型クレーンですが、走行は出来ない固定式。走行できる門型クレーンとしては、シンガポールの Sembcorp Marine にある2台の15,000トン吊りゴライアスクレーン。走行可能で2台のタンデムリフトにより最大30,000トンの重量を吊り上げることが出来る。
「South Fork Wind」の概要
「South Fork Wind」は、Ørsted と Eversource の合弁事業によるもので、比率は50:50。2019年2月に両社は合弁事業の提携を締結し、「South Fork Wind」の他にも「REVOLUTION WIND」(700MW)の計画を進めている。
よく読まれている記事