TLP方式で世界最大の16MW浮体式洋上風力「海油安瀾号」曳航開始
2026年6月28日、16MW風力タービンの組み立てが完了したTLP方式の浮体式プラットフォーム「海油安瀾号」(Hai You An Lan)の曳航が開始されました。TLP方式で係留する浮体式プラットフォームとして、16MWは世界最大。
「海油安瀾号」は、中国海洋石油(CNOOC)陸豊(Lufeng)油田群クリーンエネルギー電源転換実証プロジェクトとして、広東省東部の沖合136kmにある陸豊14-4の北西に設置予定。TLP(Tension Leg Platform)方式で設置をおこなう海域の水深は136mで、浮体は9本の係留ラインで緊張係留。16MWの風力タービンを搭載した状態で高さは307m超、重量は約8,000トン。台風並みの風力階級17(56.1~61.2m/s)という風を受けても安定性を確保し、プラットフォームの傾斜角は1°を超えないという。
「海油安瀾号」の設置完了後、発電した電力は陸豊油田群に送電され、年間5,400万kWhのグリーン電力を供給し、二酸化炭素排出量を約3万5,000トン削減するという。
関連 中国でTLPに16MW風力タービンを搭載する実証プロジェクト開始
TLP方式の浮体係留方法とは?
TLP(Tension Leg Platform)方式は、海底に設置した基礎(反力)との緊張係留により浮体を係留する方式。
波浪中における浮体の高い安定性から大型風力タービンをコンパクトな浮体に搭載することが可能で、発電コストの低減が期待されている。TLP方式の係留索は、高把注力アンカーなどのカテナリー係留方式に比べて海面下での占有面積を抑えることができ、漁業や船舶運航など既存事業への影響をより小さくする効果に加えて、洋上風力タービン設置時のレイアウトを考えると同じ設置面積の場合、従来の方法に比べてより多くのタービン配置が可能になる。
設置場所へは多目的洋上支援船「DE SHEN」で曳航

「海油安瀾号」の浮体は山東省青島市黄島区にある中国海洋石油(CNOOC)のドックで製作後、設置場所に近い広東省珠海市金湾区で風力タービンを搭載。金湾区から設置場所である陸豊14-4へは、上海サルベージ(COES)の多目的洋上支援船「DE SHEN」(德深)がメインで曳航。
多目的洋上支援船「DE SHEN」のAIS情報によると、2026年6月28日05時ごろに広東省珠海市金湾区を出港し、3~6ノット程度の速力で曳航をおこない、48時間後の6月30日05時ごろに設置場所である陸豊14-4へ到着していました。

出典:Shanghai Salvage
| 船名 | DE SHEN 德深 |
| 総トン数 | 4,730トン |
| 長さ | 90m |
| 幅 | 20m |
| 深さ | 8.8m |
| 速力 | 17ノット |
| 船籍 | 中国 |
| 建造場所 | Wuchang Shipbuilding Industry 武昌船舶重工 |
| 建造年 | 2014年5月 |
設置場所への曳航開始

出典:龙船风电网
山東省青島市でおこなわれた浮体進水
👇下の画像の状態で、製作したドック幅110mに対して浮体の幅は95.7m。そして、よく見ると浮体の曳き出し作業をおこなうタグボート5隻のうち2隻は浮体よりも奥に配置されているのが確認できます。タグボートの幅は11mあり、ほぼクリアランスが無い状態で浮体の横を通ってドックの奥に入ったようです。こういった作業の細かいポイントを知ることが出来ると何だか嬉しい。

出典:龙de船人

出典:龙de船人


















よく読まれている記事