廈金大橋で大型起重機船2隻による重量4,539トンの橋桁架設


出典:中国中铁股份有限公司
2025年12月20日、中国の福建省で建設が進められている廈金大橋(廈門区間)で初めての橋桁架設がおこなわれました。
架設した鋼製の橋桁は長さ142.5m、幅44m、高さ4.5m、重量4,539トン。架設作業は2,500トン吊り起重機船「上船浮吊5」(SHANG CHUAN FU DIAO 5)と3,600トン吊り起重機船「大橋海鷗」(大桥海鸥,DA QIAO HAI OU)という大型起重機船2隻により実施。
1基目の橋桁架設は中国中鉄(China Railway Group)の子会社である中鉄大橋局集団(China Railway Major Bridge Engineering Group)が担当。中鉄大橋局集団は、プロジェクト全体で92基設置する橋桁のうち41基を施工予定。施工する橋桁41基のうち28基は今回と同様に起重機船2隻による相吊りでの設置が計画されており、残り13基は起重機船「大橋海鷗」が単独で架設するという。
中国中鉄股份有限公司の掲載情報によると、起重機船2隻で巨大な橋桁を架設する作業の課題は、起重機船のサイズが異なる点だという。サイズが異なることで風、潮流、荷重の影響も異なるため、2隻の起重機船が同期して移動することが難しい。そのため、橋桁の位置ずれが生じやすく、架設に失敗するリスクが懸念された。架設時は2隻の起重機船をスペーサー台船などによりガッチリ固定せず、ロープなどでソフトに接続。スマート監視システムの導入、船体の正確な係留、バラスト調整、信号指令の統一などをおこなった上で架設前に事前の訓練を実施。最終的に起重機船2隻の連続性、安定性、同期性を実現し、橋桁架設を成功させるための強固な基盤を築いたという。
廈金大橋(廈門区間)は全長約19.6km。2023年10月に着工し、2026年末に開通予定。


出典:中国中铁股份有限公司
3,600トン吊り起重機船「大橋海鷗」

出典:中铁大桥局集团有限公司
| 船名 | 大橋海鷗 |
| クレーン能力 | 3,600トン |
| 揚程 | 110m |
| 長さ | 118.9m |
| 幅 | 48m |
| 深さ | 8.8m |
| 建造年 | 2017年1月 |
2,500トン吊り起重機船「上船浮吊5」

出典:江苏省船舶设计研究所有限公司
| 船名 | 上船浮吊5 (SHANG CHUAN FU DIAO 5) |
| クレーン能力 | 2,500トン |
| 揚程 | 101m |
| 長さ | 105.6m |
| 幅 | 42m |
| 深さ | 8.0m |
| 建造年 | 2010年10月 |
甲板輸送船「呈泰安航」

出典:北京北大方正电子有限公司
| 船名 | 呈泰安航 (CHENG TAI AN HANG) |
| 長さ | 164.83m |
| 幅 | 45m |
| 深さ | 6m |
【動画】大型起重機船2隻による橋桁架設
甲板輸送船「呈泰安航」からの橋桁吊り上げからシフトして架設するまでの様子。


















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