1,200トン吊りSEP船「海龙兴业号」アップグレード完了
2023年7月31日、中船黄埔文沖船舶有限公司で実施されていた1,200トン吊りSEP起重機船「海龙兴业号」(Hai Long Xing Ye Hao)のアップグレードが完了。SEP船「海龙兴业号」は、2019年に今回アップグレードをおこなった中船黄埔文沖船舶で建造されており、建造からまだ4年しか経過していない。
アップグレード内容は、主にクレーンとレグの増強。今回のアップグレードにより最大16MWの風力タービン設置が可能になったという。
クレーンのアップグレード
クレーンのアップグレードでは、ブームが交換され揚程は甲板上から150mに増加。アップグレード前はジブレストの受け台がブリッジ上部にありましたが、ブームが長くなったためブリッジ前側にジブレストが新設されています。
最大吊り上げ能力は変わらず1,200トンですが、メインフック単独の容量が増強されているようです。元々、メインフックには600トンフックが2つ備わっていましたが、単独でのフック容量が600トンから900トンに増加。しかし、最大吊り上げ能力は1,200トンのままという不思議な仕様。恐らくモノパイルを建て起こす時に自船のクレーンだけで作業すると2フックで吊り上げた後、最終的に建て起こした状態では1フックで吊っている状態になるということが理由だと思われる。1つのフック容量を増強することで、それだけ重いモノパイルを取り扱うことが可能になる。
レグのアップグレード
レグのアップグレードでは、建造時に91.44mだったレグ長さが110mに延長されている。そして、スパッドシューと呼ばれるレグ底部の部分も改良が施され強化。中国のニュース記事でもスパッドシューのアップグレードについては難易度が高いという説明ですが、中船黄埔文沖船舶は技術的問題を克服し、作業を完了したと報告されています。
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