全長382mで船体の大きさが世界最大の「Pioneering Spirit」。その巨大な船体にはいくつかの揚重設備が搭載されていますが、リフト容量の増強を行うのはトップサイド揚重に使用する設備。現在の揚重能力48,000トンから驚異の60,000トンに増加されるようです。
世界最大のPioneering Spiritがリフト容量を増強
2022年12月8日、少し前になりますが「Pioneering Spirit」を所有するAllseasは、石油プラットフォームや洋上変電所などのトップサイド設置・撤去に使用する揚重設備の容量を現在の48,000トンから60,000トンに増強することを発表。
60,000トンという重量は、満載のボーイング747(ジャンボジェット)145機とほぼ同じ重量。
現在、トップサイドリフトシステムのアップグレードに向けた準備が進められており、油圧で動作してトップサイドを持ち上げる”レバー”と呼ばれる部材16個は全て完成したそうです。(画像の部材)
人間と比べると半端ない大きさということがよく分かります。
リフト容量を増強する目的
これまでに数々のジャケットやトップサイドの撤去及び設置を行ってきた「Pioneering Spirit」ですが、リフト容量を増強する目的はただひとつ。計画している案件が現状の設備では揚重できないから。
現状の「Pioneering Spirit」には、大きく3つの揚重設備が搭載されており、トップサイドリフトシステム、ジャケットリフトシステム、5,000トン吊りクレーンの3つ。今回、アップグレードするのは揚重能力48,000トンのトップサイドリフトシステム。
そして、アップグレードのきっかけになったプロジェクトは Statfjord A platform のトップサイド撤去。重量は50,000トン。
アップグレードによって揚重能力は60,000トンに増強されますが、どこまで大きくなるんでしょう。更新情報が楽しみです。
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