1,800トン吊りSEP起重機船「港航平5」進水
2024年4月23日、中国の江蘇大津重工有限公司で天津港航工程有限公司向けに建造している1,800トン吊りSEP起重機船「港航平5」(Gang Hang Ping 5)の進水式がおこなわれました。
SEP起重機船「港航平5」は長さ135m、幅50m、深さ11m、レグ長さ135m、最大作業水深70m。搭載されるメインクレーンの最大吊り上げ能力は1,800トン、揚程は甲板上168m、20MWの風力タービン設置が可能。船体は自航式でDP2のDPS(自動船位保持装置)を装備し、船内には120人が宿泊できる設備を備えている。
進水には半潜水式バージ「四航永興」を使用
SEP起重機船「港航平5」の船体進水には、潜水式バージ「四航永興」を使用。2023年8月に完成した潜水式バージ「四航永興」は長さ164m、幅65m、深さ10.2m。最大甲板深度は16.6mで載貨重量トン数(DWG)は45,000トン。
ドックではないヤードで建造された船体を進水する方法で、ヤードから半潜水式バージ甲板上まではSPMT(Self-Propelled Modular Transport)と呼ばれる自走式多軸台車により運搬をおこなう。
以前の記事でも紹介したSEP起重機船「亨通海悦」(1,600トン吊り、長さ135m)も潜水式バージ「四航永興」を使用して進水作業をおこなっており、この時の船体重量は19,500トン。今回進水したSEP起重機船「港航平5」の船体重量は21,487トンと報じられており、SPMTや架台を含む総貨物重量は25,000トンに達したという。
かなりの重量ですが、DWGの45,000トンに対して25,000トンは56%の重量であるため総重量は問題なさそう。しかし、ヤードから半潜水式バージへ船体が乗り移る時の傾き調整は結構大変そうな気がします。潜水式バージ「四航永興」のバラストポンプ能力が作業効率の要になりそう。
1,800トン吊りSEP起重機船「港航平5」
- 2023年3月建造開始
- 2024年4月進水
- 2024年12月完成・引き渡し(予定)
船名 | 港航平5 |
クレーン能力 | 1,800トン |
揚程 | 168m(甲板上) |
長さ | 135m |
幅 | 50m |
深さ | 11m |
レグ長さ | 135m |
最大作業水深 | 70m |
DPS | DP2 |
完成後は韓国へ
2024年2月に韓国の大宇建設(Daewoo Engineering & Construction)と中国の中交天津航道局(CCCC Tianjin Dredging)は1,800トン吊りSEP起重機船「港航平5」について5年間の韓国国内独占使用に関する覚書(MOU)締結を発表しています。
完成・引き渡し後にすぐ韓国へ向かうのかは不明。
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