中国の大金重工でデンマークの「Thor」向けモノパイル製造開始
2024年1月25日、中国のDajin Offshore Heavy Industry(大金重工)はデンマークの「Thor offshore wind farm」向けとなるモノパイルのFirst Cutting Ceremonyをおこない、製造開始を発表しました。モノパイルを製造するのは、山東省煙台市蓬莱区にある大金重工の蓬莱生産基地。
「Thor offshore wind farm」では、モノパイル基礎による着床式風力タービン72基を設置する計画で、そのうち半数にあたる36基のモノパイル製造を大金重工が受注。残りの36基についてはEEW SPCが製造する予定。
大金重工は先日、スコットランド沖の「Inch Cape Offshore Wind Farm」向けのモノパイルについても容量予約契約を締結しており、ヨーロッパで建設する洋上風力発電所への納入量を拡大している。
製造能力の高い中国のモノパイル製造拠点
生産拠点 | 大金重工 蓬莱生産基地 | EEW SPC ロストック |
年間製造能力 | 50万トン | 25万トン |
最大直径 | 11.5m | 12m |
最大重量 | 2,500トン | 2,500トン |
最大長さ | 120m | 120m |
出典:Dajin Heavy Industry
デンマークの「Thor offshore wind farm」で設置が計画されている風力タービンはSiemens Gamesaの「SG 14-236 DD」。2023年4月に優先サプライヤー契約締結を発表した大金重工の掲載情報によると、モノパイルの長さは最大で100m、重量は1,500トンだという。最大直径は明らかにされていませんでしたが、大金重工とEEW SPCの製造能力から11.5m以下になりそう。
「Thor offshore wind farm」の概要
ドイツに本社を置く大手エネルギー会社のRWEが事業を進める「Thor offshore wind farm」はデンマークのユトランド半島西部にあるトースミンデ沖 約22kmの北海で建設を計画。Siemens Gamesaの風力タービン「SG 14-236 DD」72基を設置する予定で、RWEが公開しているウェブサイトの情報では単機出力15WMとなっているので、パワーブーストにより出力が引き上げられるものと思われる。
洋上・陸上に各1基の変電所設置を計画。運転開始は2027年の予定で、発電した電力はデンマークの100万世帯以上に供給されるという。
2023年6月にRWEは、Jan De Nulの3,200トン吊りSEP起重機船「Voltaire」と5,000トン吊り自航式クレーン船「Les Alizés」という次世代洋上風力設置船2隻の長期傭船契約を発表。そして、「Thor offshore wind farm」においてSEP起重機船「Voltaire」によるモノパイル設置を2025年に開始することが明らかにされています。傭船期間は同プロジェクト開始から5年以上。
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