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スコットランドの洋上風力向けモノパイル供給に中国企業

スコットランドの洋上風力向けモノパイル供給に中国企業 洋上風力発電
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スコットランドの洋上風力向けモノパイル供給に中国企業

Inch Cape Offshore Limitedの掲載記事【2024年1月16日掲載】

Inch Cape signs capacity reservation agreements with Dajin Offshore and GWSHI

Inch Cape、Dajin OffshoreおよびGWSHIと容量予約契約を締結

https://www.inchcapewind.com/inch-cape-signs-capacity-reservation-agreements-with-dajin-offshore-and-gwshi/

2024年1月16日、Inch Cape Offshore Limitedはスコットランド沖の北海で建設計画を進めている「Inch Cape Offshore Wind Farm」向けのモノパイルについて、Dajin Offshore Heavy Industry(大金重工)および Guangzhou Wenchong Shipyard Heavy Industry(広州文船重工)と中国からスコットランドへの納品を含む製造に関する容量予約契約を締結したと発表。

「Inch Cape Offshore Wind Farm」では、Vestas製の15MW風力タービンを最大72基設置する計画になっており、巨大な風力タービンを支えるモノパイルも当然ながら、とんでもない大きさ。使用するモノパイルのうち最大のもは外径11.5m、長さ110m、重量は2,700トンにもなるという。

モノパイルの製造は2024年後半に開始され、プロジェクトへの納入は2025年後半に予定されています。

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「Inch Cape Offshore Wind Farm」の概要

「Inch Cape Offshore Wind Farm」の計画位置図
出典:Inch Cape Offshore Limited
「Inch Cape Offshore Wind Farm」の概要
  • 設置位置:スコットランド アンガス海岸沖15kmの北海、水深57m(最大)
  • 発電容量:1.1GW
  • 風力タービン:Vestas V236-15.0 MW、72基
  • 風車基礎:着床式、モノパイル
  • 運転開始:2025年(2022年時点の予定)

「Inch Cape Offshore Wind Farm」は、スコットランドのアンガス海岸から15km沖合の北海にVestas製の15MW風力タービンを最大72基と洋上変電所1基を設置する計画。総発電容量は1.1GW。

事業者は、エディンバラを拠点として再生可能エネルギープロジェクトをおこなうRed Rock Power とアイルランドの大手エネルギー企業 ESB の合弁会社 Inch Cape Offshore Limited。

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中国企業がモノパイル製造をおこなう理由

中国で製造の「Moray West」向けモノパイル出荷完了
「Moray West」向けモノパイル
出典:Dajin Heavy Industry Corporation
運搬船に積まれた入善向けのモノパイルと補助コンポーネント
出典:南通润邦海洋工程装备有限公司

今回、モノパイル製造に関する容量予約契約を締結したDajin Offshore Heavy Industry(大金重工)と Guangzhou Wenchong Shipyard Heavy Industry(広州文船重工)は中国企業。大金重工は2023年末にスコットランド沖で建設が進められている「Moray West Offshore Wind Farm」向けとなるモノパイル48基の納入を完了しており、2023年5月にはドイツの「Nordseecluster wind project」向けモノパイル108基の製造・供給について契約を獲得している。

日本の富山県にある入善洋上風力発電所で設置したモノパイルなどの基礎部材も中国企業の南通润邦海洋工程装备有限公司で製造されたものでした。日本の場合は地理的に中国と近距離なので運搬距離も短いためロスは少ないですが、今回のように中国からヨーロッパへの運搬となると運搬費は高くなり経済的な選択とは思えない。ではなぜ、ヨーロッパから遠く離れた中国でモノパイルを製造するのでしょうか。

ヨーロッパは世界的に洋上風力の導入時期が早く、必要資材の工場は一通り揃っているためモノパイルを製造する工場も当然ある。中国でしか製造できないという状態ではありませんが、洋上風力の建設拡大と風力タービンの大型化という部分にその理由がありそう。

カーボンニュートラルに向けた取り組みとして再生可能エネルギーである洋上風力の建設ラッシュは世界的に起きている。そのため、風力タービンや基礎となるモノパイルやジャケットなどの必要な部材製造の需要も高まってきており、事業者が予定しているスケジュールに対して納期をクリア出来る高い生産能力を持つ中国企業に発注するというのも理解できる。

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最大直径11.5mのモノパイル製造

CWHIの欽州ヤード
出典:Inch Cape Offshore Limited
大金重工の盤錦生産基地
出典:Dajin Heavy Industry Corporation

洋上風力の建設拡大という需要増加以外に中国企業へモノパイル製造を発注する理由として、風力タービンの大型化が関係しているような気がします。というのも、「Inch Cape Offshore Wind Farm」で使用する最大のモノパイルは外径11.5m、長さ110m、重量は2,700トン。

オランダのSif Groupは生産設備のアップグレードをおこなっていますが、拡張工事が完了した後の製造能力として生産できるモノパイルの最大直径は11m、最大重量は2,500トン。したがって、Sif Groupでは「Inch Cape」向けのモノパイルを製造することが出来ない。

他にドイツのEEW SPCでも最大直径はクリアしていますが、最大重量がクリアしていないため製造できない可能性が高い。

製造メーカーCWHI
欽州ヤード
Dajin Offshore
蓬莱生産基地
Dajin Offshore
盤錦生産基地
Sif Group
アップグレード後
EEW SPC
ロストック
年間製造能力65万トン50万トン50万トン50万トン25万トン
最大直径15m11.5m16m11m12m
最大重量4,500トン2,500トン5,000トン2,500トン2,500トン
最大長さ不明120m不明105m(拡張前)120m
モノパイル製造能力の比較

Guangzhou Wenchong Shipyard Heavy Industry(広州文船重工)の子会社にあたるCNOOD-Wenchong Heavy Industries(CWHI)の欽州ヤードと大金重工の盤錦生産基地はモノパイル製造能力が製造する規格をクリアしています。

各製造メーカーの能力をみると「Inch Cape Offshore Wind Farm」向けモノパイルを製造できるのは中国企業だけ。モノパイルを製造するメーカーは他にもあると思うので何とも言えませんが。

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