中国初の大規模固定式洋上太陽光発電プロジェクト
2023年12月に建設を開始した中国初の大規模固定式洋上太陽光発電プロジェクトとなる「中国広核集団煙台招遠400MW洋上太陽光発電プロジェクト」で洋上での建設作業が進められています。
2024年4月6日、山東省烟台市沖の莱州湾で海底に打ち込んだ支持杭上へ、太陽光パネルを搭載した最初の上部構造設置がおこなわれました。上部構造の大きさは長さ約70m、幅約40m、重量120トン。容量は約0.59MWで設置後の高さは水面上17.3m。設置作業をおこなったのは、報じられている画像を見ると500トン吊り起重機船「起重19」のようです。
総発電容量400MWに対して、設置した上部構造1箇所の容量約0.59MWを基に概算で計算すると、70m×40mというサイズのパネルを約678枚設置することになる。どのくらいのペースで設置するのか不明ですが、1日1枚設置しても2年近い年月が必要。
設置場所は菜州湾という湾内ですが、北側は大きくひらけているため北寄りの風が強まった場合、水面上17.3mでは心許ない気もする。大丈夫だろうか・・。
出典:Sohu(搜狐)
「中国広核集団煙台招遠400MW洋上太陽光発電プロジェクト」の概要
出典:Science and Technology Daily
「中国広核集団煙台招遠400MW洋上太陽光発電プロジェクト」は、山東省煙台市招遠市の海岸より2km~6.2km沖合の莱州湾に建設が進められています。設置が計画されている総面積は6.44km2という広さで、水深は8.5m~11m。総発電容量は400MW。杭を使用した固定式の太陽光発電設備を設置する計画。
山東省で建設が計画されている最初の10の洋上太陽光発電プロジェクトサイトの中で最も水深が深いことから建設難易度が高く、開発条件が最も複雑なサイトだという。
500トン吊り起重機船「起重19」
出典:中交第一航务工程局有限公司
杭打ち船「電建海装001」による支持杭打設
出典:Sohu(搜狐)
支持杭の打設には、2023年10月に完成した洋上太陽光発電設備の専用杭打ち船「電建海装001」(Dian Jian Hai Zhuang 001)を使用することが明らかにされており、AIS情報でも現場付近の港にいるので間違いないと思いますが、施工している様子は公開されていないようです。
「電建海装001」の形状は全長66.66m、幅22m、深さ4.5m、甲板上には30トン吊りのクレーンが2基搭載されています。
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