中国で大規模固定式洋上太陽光発電プロジェクトが着工
2023年12月26日、中国初の大規模固定式洋上太陽光発電プロジェクトとなる「中国広核集団煙台招遠400MW洋上太陽光発電プロジェクト」の建設が開始されました。
建設がおこなわれるのは、山東省烟台市にある莱州湾の海域。設置が計画されている総面積は6.44km2という広さで、水深は8.5m~11m。そして、総発電出力は驚異の400MW。山東省で建設が計画されている最初の10の洋上太陽光発電プロジェクトサイトの中で最も水深が深いことから建設難易度が高く、開発条件が最も複雑なサイトだという。このプロジェクトで形成される設計や建設基準などは今後、中国国内で計画されている洋上太陽光発電事業の基準となることから非常に重要なプロジェクトとして位置付けられているようです。
固定式とは言え洋上太陽光発電で400MWというのは桁違いな規模。日本の陸上に設置されている太陽光発電で、いわゆるメガソーラーと呼ばれている中で最大のものを調べてみると、岡山県に設置されている「作東メガソーラー発電所」の257.7MWが最大でした。日本国内で陸上最大の太陽光発電所よりも1.5倍以上大きな太陽光発電所を中国では海上に建設しようとしている。
作東メガソーラー発電所の概要
名称 | 作東メガソーラー発電所 |
所在地 | 岡山県美作市 |
発電容量 | 257.7MW |
運転開始日 | 2019年12月 |
事業者 | パシフィコ・エナジー作東合同会社 |
中国広核集団煙台招遠400MW洋上太陽光発電プロジェクト
「中国広核集団煙台招遠400MW洋上太陽光発電プロジェクト」では、山東省烟台市にある莱州湾の海域6.44km2に杭を使用した固定式の容量400MWという太陽光発電設備を設置する計画。
設置面積は6.44km2というとんでもない広さですが、設置容量である400MWで割ると1kWあたり16.1m2。一般的な陸上の太陽光発電に必要な面積は、1kWあたり10~15m2といわれているそうなので、発電効率は陸上のものと大差ないようです。
完成イメージで1つのパネルのように見える太陽光パネルの集合体枚数を数えてみると907枚。
設置作業には洋上太陽光発電設備の杭打ち船「電建海装001」を使用
「中国広核集団煙台招遠400MW洋上太陽光発電プロジェクト」の建設作業には、2023年10月に完成した洋上太陽光発電設備の杭打ち船「電建海装001」(Dian Jian Hai Zhuang 001)が使用される予定。船の形状は全長66.66m、幅22m、深さ4.5m、甲板上には30トン吊りのクレーンが2基搭載されています。
「電建海装001」完成時に画像を見ただけでは施工する時のイメージがいまいち想像できなかったので、とても気になっていました。どんな感じで太陽光発電設備を設置するための杭を打設するのだろう。施工の様子や工事の施工進捗など情報が分かれば続報をお伝えします。
洋上太陽光発電設備の杭打ち船「電建海装001」完成時の記事
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