密輸で押収した貨物船を人工リーフとして利用、アイルランド初の試み

密輸で押収した貨物船を人工リーフとして利用、アイルランド初の試み 宇宙、自然、歴史
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密輸で押収した貨物船を人工リーフとして利用、アイルランド初の試み

2024年9月18日、アイルランド当局が10年前に摘発した密輸で使用されていた押収品の貨物船「Shingle」を人工リーフとして利用するため、キララ湾(Killala Bay)に沈める作業を実施。

貨物船「Shingle」は、2014年6月にアイルランドのダブリン北部にあるドロヘダで拿捕された。船内には密輸しようとしていたタバコ3,200万本とタバコの葉4,500kgが積まれており、その末端価格は1,400万ユーロ、当時の為替相場で日本円に換算すると19億4,600万円(1ユーロ=139円として換算)。

当初、貨物船「Shingle」は売却可能な資産になると考えられていましたが、実際のところ買い手が付かず長期間に渡る係船料や維持費のため、逆に経済的な負担となっていた。

貨物船「Shingle」は押収後、9年間ダブリンで係留されていましたが、昨年アイルランド南部のニューロスに移動し、人工リーフとして沈めるための準備がおこなわれていました。

アイルランド初の人工リーフプロジェクト「Ship 2 Reef Project」

キララ湾の海底に貨物船「Shingle」を沈め、人工リーフとして利用するアイルランド初のプロジェクト「Ship 2 Reef Project」。このプロジェクトは、生物多様性と国際的な観光名所を創出することを目指しており、Killala Bay Ships 2 Reefという地元団体をはじめ、アイルランド税務当局や設置場所のキララ湾に関係するメイヨー州議会、スライゴ州議会の共同事業として進められてきた。

キララ湾に貨物船「Shingle」を沈めるため、アスベストや残留油の除去など環境対策を含む徹底した準備がおこなわれ、ニューロスからキララ湾へ曳航した後、海底に沈める作業を実施。一連の準備作業には200万ユーロ、日本円で約3億2,000万円の費用がかかったという。貨物船「Shingle」は寄贈され、所有権はアイルランド当局からKillala Bay Ships 2 Reefに変更されている。

人工リーフとして沈められた貨物船「Shingle」は今後、ダイビングや海洋研究などでの活用が期待されています。

貨物船「Shingle」を沈める作業は、ライブ配信で公開されたようです。貨物船「Shingle」は全長60m、沈めた場所の水深は約95フィート(約29m)。

【動画】貨物船「Shingle」の船体を沈める様子

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