東京港国際コンテナターミナルで6月26日からジャケット据付

東京港国際コンテナターミナルで6月26日からジャケット据付

2025年6月16日、国土交通省関東地方整備局 東京港湾事務所は東京港中央防波堤外側地区において進めているY3コンテナターミナルの整備でジャケット据付日程を発表しました。

水深-16m、延長400mの耐震強化岸壁を有するY3コンテナターミナルの整備は、ジャケット式桟橋で築造され、合計25基のジャケットを設置する計画。ジャケットの大きさは高さ15m、長さ48m、幅15m、重量333トン。

寄神建設所有の1,600トン吊り起重機船「神翔-1600」による施工

東京港湾事務所が発表したプレスリリースによると、ジャケット据付は1,600トン吊り起重機船により施工をおこなうという。

施工を実施する作業船の船名については記載されていませんが、日本国内で稼働している起重機船のうち、1,600トンの最大吊り上げ能力を備えているのは「神翔-1600」と「CP-16001」の2隻のみ。SEP起重機船「CP-16001」は、洋上風力向けに建造され、現在「北九州響灘洋上ウインドファーム」で稼働していることに加えて、ジャケット施工場所が羽田空港B滑走路の延長進入表面下となっており、長さ92.5ｍのレグを搭載している「CP-16001」では施工が難しい。

したがって、2020年3月に供用を開始した隣接するY2コンテナターミナルでもジャケット据付実績のある「神翔-1600」で施工をおこなうと思われる。

寄神建設株式会社（本社：兵庫県神戸市）が所有する「神翔-1600」のAIS情報を確認すると、基地港としている兵庫県加古郡播磨町のヤードを2025年6月4日に出港し、3日後の6月7日に東京都大田区令和島沖へ到着しています。ジャケット据付予定は6月26日からなので、準備作業の日程を考えても少し早すぎるような気が・・。

据付をおこなうジャケットは、岸壁法線と平行する4つの通りにそれぞれ2本、1基当たり8本の基礎杭が設置される計画となっており、海側と陸側の4本をジャケット据付前に先行杭として打設。そして、残る中央部分の基礎杭4本はジャケット据付後に後行杭として打設する予定。

2013年度に実施されたY2コンテナターミナルのジャケット据付をおこなう画像を見ると、後行杭として施工するジャケット中央のさや管部分は傾斜しており、斜杭を打設していました。令和4年度 第3回 関東地方整備局事業評価監視委員会の配布資料によると、Y2の施工経験を踏まえて、今回のY3では鋼管杭打設の施工効率を向上させるため、斜杭を直杭に変更しているという。

自治タイムス社の建設グラフに掲載されている寄稿文によると、ジャケット中央部分の鋼管杭2本×4基分＝8本（後行杭）と円錐表面下の単杭（1本杭）で施工する海側2本、陸側1本の先行杭、合わせて鋼管杭11本は1,600トン吊り起重機船で打設する計画となっている。「神翔-1600」がジャケット据付日程よりも少し早く現地へ到着したのは、先行杭3本の施工をおこなうためなのかもしれません。

リンク先 建設グラフ 2025年6月号 | 東京港中央防波堤外側地区岸壁（-16ｍ）（耐震）築造工事について

1,600トン吊り起重機船「神翔-1600」

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日本の起重機船・クレーン船リスト。吊り上げ能力400トン以上をピックアップしています。

crane1000.com

2024.06.18

Y3コンテナターミナルに関する入札情報

2025年6月現在までにY3コンテナターミナル建設に関する入札情報。ジャケット25基のうち14基について工事の入札がおこなわれている。上部工（プレキャストPC床版）については「令和7年度　東京港中央防波堤外側地区岸壁（-16m）（耐震）上部等工事」として4基分が公告されており、2025年9月4日に入札（開札）がおこなわれる予定。