変わった船体形状の2,000トン吊りクレーン搭載ジャッキアップ船

2025年9月12日、LiebherrはPetrodecのジャッキアップ船「OBANA」に2,000トン吊りのマストクレーン「MTC 78000」1台と60トン吊りの「BOS 4200」2台を納入したと発表しました。
ジャッキアップ船「OBANA」の命名式は、約4カ月前の2025年5月にオランダのDamen Shiprepair Rotterdamで既におこなわれている。所有するのは、オランダに拠点を置くPetrodec。「OBANA」は、洋上風力向けではなく、北海に設置されている石油・ガスなどの洋上プラットフォームを解体する作業に従事する予定。
船体をジャッキアップするレグは6本搭載されており、2,000トン吊りのマストクレーンは船体中央に設置されている。船体寸法は、長さ205.74m、幅76.2m、深さ10.67m。レグ長さは170.7mで最大作業水深65m。推進装置は搭載されていないので非自航式。


中古ジャッキアップ船2隻を再利用


搭載レグの本数やその配置から何となく察しているかもしれませんが、ジャッキアップ船「OBANA」は中古のジャッキアップ船2隻を再利用している。
ジャッキアップ船2隻の間には、メインクレーンを搭載する中間セクションを挿入。2024年12月に中間セクションを含む3隻を同時に入渠。Mammoetの油圧ジャッキで配置を微調整した後に各船体の接続部分を溶接。
Petrodecが公開している動画では建造の様子が紹介されています。動画の中で、配置を調整する油圧ジャッキのモニター画面には ”Total load 79044,0 kN” と表示されているので約8,060トン。中間セクション、ジャッキアップ船どちらの重量なのか分かりませんが、8,000トンを動かすことが凄い。他にもメインクレーンやジブレストの設置なども映されていて興味深い動画でした。

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