清水建設が国内で初めて使用済み風車ブレードのケミカルリサイクル技術を確立
2026年5月25日、清水建設は脱炭素と資源循環の推進を目的に日本国内で初めて風力発電に用いる風車ブレードのケミカルリサイクル技術を確立したと発表。
産業廃棄物処理業者である株式会社 大瀧商店の協力を得て確立したという風車ブレードのケミカルリサイクル技術は、廃ブレードを粉砕処理して製鋼用の加炭材として再生するもので、埋め立て処分よりも環境負荷が少なく、廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギーを回収して利用するサーマルリサイクルより燃焼時のCO2排出量が少ないことがメリット。
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年間2,000トン以上の発生が予想される廃ブレードを加炭材へ再生


出典:SHIMIZU CORPORATION
風車ブレードはガラス繊維強化プラスチック(GFRP)または炭素繊維強化プラスチック(CFRP)と木材などを樹脂で固めた複合素材で構成されることから、リサイクルが極めて困難。2050年のカーボンニュートラル実現に向けて風力発電の導入が各地で進む一方、2030年代から稼働後20~25年が経過する風車の更新需要が顕在化してくるため、毎年2,000~2,500トンの廃ブレード発生が予想されている。
現状の廃ブレードを処分する方法として、埋め立て処分は環境負荷が大きいうえ国内では処分場の残余量は逼迫しており、既にEUでは埋め立て処分を禁止する動きがあり、サーマルリサイクルについては廃ブレードの燃焼過程でCO2が大気中に放出される。
清水建設は、脱炭素と資源循環を念頭に廃ブレードの新たなリサイクル方法を模索。廃ブレードの構成素材を勘案すると、鋼材の製鉄プロセスで混合する炭素原料の加炭材に再生(リサイクル)できると考え、再生手法の検討・検証を進めた。1年以上を費やし、廃ブレードの切断・破砕による加炭材原料の製造・品質管理手法、加炭材への配合比率、原料の加炭材への圧縮成形手法の最適化を図るとともに経済性を追求し、一連のケミカルリサイクルプロセスを確立。ケミカルリサイクルは、廃棄物を化学的に分解して原料まで戻し、新たな製品を製造することを意味する。
加炭材への再生は燃焼過程で発生する炭素が鋼材に吸収され減少するメリットに加えて、限りある資源(コークス類)の代替材となることも大きなメリット。
加炭材とは、鉄鋼製品の製造工程において、炭素含有量を調整するために添加される材料のこと。主に鋳鉄や鋳鋼の製造時に使用され、溶けた金属に炭素を供給することで、製品の硬度や強度などの機械的特性を向上させる目的がある。一般的には、コークス、グラファイト、石油コークスなどが加炭材として用いられる。
環境負荷と経済性を勘案した最適な廃ブレードのリサイクル処分案を提案
清水建設はプレスリリースで、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて風力発電に寄せられる期待が高まる一方、老朽化した風車の更新は不可欠であるとした上で、発電事業者に対して風車の立地特性及び、環境負荷と経済性を勘案した最適な廃ブレードのリサイクル・処分案を提案すると述べている。
脱炭素と資源循環の推進に寄与するとともに、風力発電施設の更新需要を取り込み、新設と併せ年間約200億円程度の受注を目指すという。



















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