船体を分割して間に増設する船体セクションを入れて改造された浚渫船「Swalinge」。増設されたのは37mで改造前は82.2mだった船体長さが119.2mに延長されました。
船体を分割して37m長くする改造を施した浚渫船
2022年の初めに開始された浚渫船「Swalinge」の改造。その改造内容は、船体長さの延長に加えてバウスラスターの増設などが行われたようです。
船体の延長方法は、船体を前後に分割して間に追加する船体セクションを差し込むという方法。
改造前の船体長さは82.2mでしたが、37mの船体セクションを差し込んで119.2mに延長。この延長により浚渫土をストックする容量は1,800m3から3,000m3に増加。
浚渫船「Swalinge」の改造タイムラプス動画
Youtubeに投稿されている動画には登場しないんですが、LinkedInに投稿されている動画には改造後の動作テストの映像が映っています。投稿者は両方とも改造を行ったオランダの造船所Kooiman Marine Group。
LinkedIn動画の動作テストでは、喫水線ギリギリまで船体が沈むほどの満船状態でオーバーフローした濁水が大量に海面へ流出。あまりよろしくないと思ってYoutube動画ではカットしたのかもしれません。
類似する船体を分割して長さを延長する改造船
浚渫船「Swalinge」と同様に船体を切断して延長する改造をおこなう動画が他にもありました。造船業界的には一般的な方法なのかも。世の中には、まだまだ知らない事がたくさんありそうです。
以前の記事でも取り上げたSiemens Gamesaの専用運搬船「ROTRA MARE」。SG14-236DDプロトタイプの風車資材をウスタイル(Østerild)試験場へ運搬するためにオールボー(Aalborg)からハンストホルム(Hanstholm)の海上運搬に使用されました。
「ROTRA MARE」は、2009年に建造された時点ではコンテナなどを運ぶ貨物船でしたが、風車資材を運搬する専用船に改造され、2016年からSiemens Gamesaの専用運搬船として就航。そして、2021年末から2022年3月にかけて船体長さを141.6m → 153.2mへ11.6m延長する改造が行われています。
動画は分割して延長した船尾側のブロックと船首側のブロックを接続する場面。
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