Dogger Bankで無人洋上変電所設置 日立のHDVC技術を搭載
World’s first unmanned HVDC offshore platform installed at world’s largest offshore wind farm
(世界最大の洋上風力発電所に設置された世界初の無人HVDC洋上プラットフォーム)
https://doggerbank.com/construction/worlds-first-unmanned-hvdc-offshore-platform-installed-at-worlds-largest-offshore-wind-farm/
イングランド、ヨークシャーから東へ130km沖合の北海で建設されている世界最大の洋上風力発電所Dogger Bank Wind Farmで洋上変電所の設置が行われました。Dogger Bank A,B,C それぞれで設置される洋上変電所の最初の1基目。
Dogger Bank Aに設置した洋上変電所は、タイにあるaibelのヤードで製作。その後、重量物運搬船「BigLift Baffin」に搭載、ノルウェーにあるaibelのヤードに運搬し、最終的な組立が行われていました。
トップサイドの大きさは長さ65m、幅39m、高さ39m。重量は8,500トン。
設置作業を行ったのは、バルト海での施工から帰って来た14,200トン吊りクレーン船「Thialf」。
設置された洋上変電所は、HDVC(High Voltage Direct Current)という送電を高電圧の「直流」で行うシステムにより送電ロスが少なく、長距離での大容量送電に適している。このHDVCと呼ばれる高圧直流送電技術には、日立ABBパワーグリッドの自励式HVDCシステムが搭載されており、今後設置予定の Dogger Bank B,C の洋上変電所でも採用される。英国の洋上風力発電所でHDVCにより送電するのは初めて。
さらに特徴として、洋上変電所の運用は陸上から遠隔によっておこなわれる初めての無人洋上変電所になるそうです。点検や確認のため定期的には訪れるんでしょうけど、なんせ130km沖合に設置されているので、速力20ノットの船で移動すると片道約4時間必要。
世界最大の洋上風力発電所「Dogger Bank Wind Farm」
名称 | Dogger Bank A | Dogger Bank B | Dogger Bank C |
発電容量 | 1.2GW | 1.2GW | 1.2GW |
風力タービン | GE Haliade-X 13MW | GE Haliade-X 13MW | GE Haliade-X 14MW |
設置数 | 95基 | 95基 | 87基 |
風車基礎 | モノパイル | モノパイル | モノパイル |
完成予定 | 2023年 | 2024年 | 2026年 |
設置位置はイングランド、ヨークシャーの東130km沖合にある北海。「Dogger Bank Wind Farm」は、Dogger Bank A、Dogger Bank B、Dogger Bank Cという3つのフェーズで開発されており、それぞれの発電容量は1.2GW、合わせると3.6GW。完成すれば世界最大の洋上風力発電所となる。
プロジェクトは、英国エネルギー大手SSEグループ傘下のSSE Renewablesと石油会社Equinor、ノルウェーの洋上風力発電会社Vårgrønnという3社による合弁事業。出資比率は、SSE Renewables(40%)、Equinor(40%)、Vårgrønn(20%)。
海域での作業は開始されており、2022年7月にはDEMEのSEP起重機船「INNOVATION」が最初のモノパイルとトランジションピースを設置。
注目の風力タービン「Haliade-X」設置は、2023年春から開始される予定となっているので、間もなく開始されると思われる。風力タービン設置を行うのは、Jan De Nulの3,200トン吊りSEP起重機船「Voltaire」。SEP起重機船としては現状、世界最大。
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