起重機船「富士」により吊り上げられた漁船が横転事故から台座へ戻る

起重機船「富士」により吊り上げられた漁船が横転事故から台座へ戻る 事件・事故
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起重機船「富士」で吊り上げられた漁船が横転事故から台座へ戻る

2023年8月22日、宮城県気仙沼市のみらい造船で作業ドックへ移動中に横転した漁船「第二大師丸」の復旧作業がおこなわれ、無事に移動台車の台座に戻す作業が完了したそうです。

横転した漁船の復旧作業をおこなったのは、深田サルベージ建設が所有する3,000トン吊り起重機船「富士」。報道されている情報によると、22日午前中に吊り上げられた漁船「第二大師丸」は、空中でゆっくりと船体の傾きが修正され、およそ3時間後に台座へおろされたという。

無事、台座に漁船が戻されて一安心。

事故の原因については、漁船を載せていた移動台車がレールから外れたことでバランスを崩して横転したとみられているそうです。レールから外れた原因を理解して対策しないと再び同様の事故が起きる可能性がありそう。

起重機船「富士」、過去には気仙沼大島大橋を架設していた

起重機船「富士」は、今回作業したみらい造船から南東へ約1.2kmの場所に架かる気仙沼大島大橋の架設をおこなっており、気仙沼港に来るのは初めてではないようです。2017年3月29日に架設した巨大な気仙沼大島大橋の中央径間の重量は、約2,700トン。

船名富士
クレーン能力3,000トン
長さ105m
46m
深さ8m
建造年2003年9月
気仙沼大島大橋の中央径間架設、重量=約2,700トン(2017年3月29日)
出典:FUKADA SALVAGE & MARINE WORKS
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漁船の吊り上げ方法

横転した漁船を復旧した吊り上げ方法は、想像していたよりもシンプルなものでした。吊りピースの位置に関しても前後は分かれていますが、左右はほぼ同じ位置に取り付けられており、なかなか興味深かったです。

漁船が横転したおよその位置

漁船が横転した位置は、造船所から海側に張り出したシップリフトシステムと桟橋の間くらい。東端の海側から約70m。シップリフトシステムの北側からの方が吊り上げる位置に近いですが、それでも30mあります。

固定式の起重機船でアウトリーチ80m程度、漁船の重量が150トンくらいで横転した状態から建て起こすために複数のフックを備えているという条件を考慮すると、3,000トン吊り起重機船「富士」は作業的にオーバースペックではなく妥当な施工機械と言えるかもしれません。

固定式起重機船のアウトリーチについて

アウトリーチは、起重機船の能力を判断する上で重要な要素の1つ。吊り上げるフックが船体からどれだけ離れた位置にあるかを表す数値で、アウトリーチによって吊り上げ能力は変化する。固定式起重機船の場合、クレーンが搭載されている船縁からフックまでの距離を意味しており、ヨーロッパの固定式起重機船の能力表を見ても同じ表記の仕方なので万国共通なのかも。

旋回式のクレーン船だと旋回中心からフックまでの距離がアウトリーチになり、作業半径とも呼ばれます。

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