少し古い情報ですが、2022年4月27日、中国の江蘇省南通市にある振華重工で3,600トン吊りのクレーン船「巨杰3600」が完成。
記事後半では、中国人のアイデアが詰まった700トン吊りクレーン船を紹介。
3,600トン吊りクレーン船「巨杰3600」
クレーン旋回時の最大吊上げ重量は2,400トン。最大吊上げ重量の3,600トンを吊り上げれるのはクレーンが真正面の時だけ。中国の全旋回クレーンによくある性能ですね。
性能的には非自航船でDPSも非搭載というクレーン船。
中国語の記事だと”最大固定尾吊重3600T”という記載。
google翻訳すると”最大固定テールリフト重量3600T”
上の画像でクレーンが左を向いた時が3,600トン吊れる状態なので、船体のクレーン側が船尾ということなのか。少し違和感がありますが、そういうことになります。
建造中の「巨杰3600」
クレーン搭載前の「巨杰3600」。画像をよく見ると甲板上に人が見える。人の大きさと比べると改めて船体の大きさが分かりますよね。船体寸法は、全長171m、幅43.8m。
「巨杰3600」の概要
船名 | 巨杰3600 (Ju Jie 3600) |
吊上能力 | 3,600トン吊(固定) 2,400トン吊(旋回) |
長さ | 171.0m |
幅 | 43.8m |
深さ | 14.2m |
建造年 | 2022年 |
所有会社 | 浙江华勘海洋工程有限公司 (巨杰科技发展集团股份有限公司) |
700トン吊りクレーン船「巨杰702」
浙江华勘海洋工程有限公司には、少し変わったクレーン船がいました。
700トン吊りのクレーンを搭載した「巨杰702」。
船名 | 巨杰702 (Ju Jie 702) |
吊上能力 | 700トン吊 |
長さ | 86m |
幅 | 36m |
深さ | 6m(最大深さ24m) |
所有会社 | 浙江华勘海洋工程有限公司 (巨杰科技发展集团股份有限公司) |
700トン吊りクレーン船「巨杰702」の建造目的は洋上風車の建設用。クレーン能力は700トン吊りなのでそこまで大きな容量の洋上風車は設置できませんが、能力の範囲内であれば基礎から上部の風車まで設置する事が出来ます。
このリスクを回避するために考えられたのが半潜水着座式クレーン船「巨杰702」。
中国語の説明では ”坐底式起重船” と記載されています。
これ結構、ナイスなアイデアだと思いました。船体を座礁させてSEP起重機船と同等の作業性能を確保する。作業条件として、座礁させるので作業水深は1.5m~24m、海底地盤は砂質や泥質に限定。
水深24mで座礁させた状態でも揚程140mを確保。
これ日本で同じことやろうとしても保安部の許可おりないような気がします。中国人の豊かな発想力に感服です。
CSSCV(Chinese Semi-Submersible Crane Vessel)
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