モルディブでSEP船に搭載されたクレーンのジブが倒壊するという大事故が発生。SEP船での作業ですが事故が起きたのは、洋上風力関係ではなく橋の建設工事のようです。モルディブでは橋の建設工事でSEP船の事故が他にも起きている。
モルディブで基礎杭を吊り上げたSEP船のクレーンジブが倒壊
事故が起きたのはインドの南西に位置する島国モルディブ。
モルディブは1,000を超える珊瑚島と26の環礁からなるインド洋の島国。首都があるマレ島周辺で行われているのが「Greater Male Connectivity Project」。ティラフシ島、ガルヒ・ファルフ、ヴィリンギリ島、マレ島を橋でつなぐ道路を建設している。今回の事故はこの工事に従事するSEP船で起きたようです。幸い事故による負傷者はいない。
モルディブのニュース記事によると、事故はヴィリンギリ島の周辺で発生し、プロジェクトを請け負っているのはインドのムンバイに拠点を置く Afcons という企業。
「Greater Male Connectivity Project」の計画では、フェーズ1としてマレ島とヴィリンギリ島を結ぶ道路が2023年7月までに完成し、2023年8月15日までに一般公開、フェーズ2としてヴィリンギリ島とガルヒ・ファルフを結ぶ道路が2023年末までに完了、フェーズ3のガルヒ・ファルフとティラフシ島を結ぶ道路は2024年11月までに完成する予定となっている。
モルディブのニュース記事を見ると、インド企業への不信感は強く、ほとんど信用していないような感じがヒシヒシと伝わってくる文面。工程を守らない、施工品質が悪い、そして8月にも工事に従事するSEP船が座礁事故を起こしており、事故が多いという踏んだり蹴ったりの感じ。そんな中で今回の事故が起きたようです。
SEP船のクレーンが倒壊する動画
動画を見るとSEP船に搭載されたクレーンが基礎杭を吊り上げて建て起こそうとした時にジブが自船のレグに接触しているように見えます。その衝撃でジブが座屈してクレーンが倒壊。
そもそも相当な重量がありそうな基礎杭をフロートで浮かせて運搬する方法が不安定でリスクが高そうに見えます。ただ限られた施工機械で厳しい海象状況の中、施工できる案をひねり出したんだと思うと少し残念な気持ち。せめて水深に合わせてレグの長さを調整できるようにしておくか、レグがもう少し短かったら事故は起こらなかったかも。
同じ工事でフロートを使ったSEP船による杭の建て起こし動画
同じ工事での動画だと思いますが、事故が起きた時とは別の動画。危険な作業をしてますが、特に事故は起こりません。
フロートで浮かべてきた杭の上に人が4人くらいいますが、恐らく玉掛け要員。昭和の時代には日本でもこのくらい危険な施工方法で作業してたんでしょうか。いろいろと突っ込みどころが。この動画を見ると起こるべくして事故は起きたんだなという感じ。
2022年8月に起きたSEP船座礁事故
2022年8月16日に起きたSEP船の座礁事故。事故はSEP船をヴィリンギリ島へ曳航している時に曳航ロープが破断して漂流・座礁したというもの。
この事故によりヴィリンギリ島のサンゴ礁は深刻な被害を受けたそうです。この被害に対しモルディブ環境保護庁は、プロジェクトを請け負うインドのAFCONSに対して6,900万ルフィヤ、日本円で約6億円(1ルフィヤ=8.7円として換算)の罰金を科した。ただ現時点では、支払われていないという。
モルディブでのSEP船座礁事故を含む【衝撃!海で起きた事故】という動画。
モルディブで起きたSEP船の座礁事故は動画の5番目に登場します。4:38付近~。
その他の事故動画も興味深いものがあるので、暇つぶし程度に見るにはちょうどいいかも。
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