日本サルヴェージの「海進」が知床半島へ
知床半島沖で観光船「KAZU1」が沈没した事故で、船の中に取り残されている可能性がある行方不明者の捜索のため、海上保安庁と契約した「日本サルヴェージ」。
「新日丸」に続けて、日本サルヴェージが所有する作業台船「海進」が知床半島での捜索に向けて準備を進めているそうです。「海進」は水深約115メートル地点に沈没している観光船の船体周辺の捜索や調査のため、「飽和潜水」の資機材を積み、5月10日午後にも北九州の門司港を出港する予定。
作業台船「海進」は非自航式
作業台船「海進」はいわゆる ”船舶” ではないので、航行するための推進装置が搭載されていない。簡単に言うと自力で航行することが出来ない。なので他の船に牽引してもらう必要がある。今回は日本サルヴェージが所有する「早潮丸」が北九州から知床半島まで曳航するそうです。
先日捜索に加わった「新日丸」は5月2日に鹿児島を出港し、網走港へ到着したのが5月7日。所要日数は5日間。航行速度は13~15ノット。
では、作業台船「海進」は知床半島への移動にどれくらいかかるのか?
「海進」の移動時間はどれくらい?
北九州の門司港から知床半島への航行ルートが分からないので、推測になります。先日の「新日丸」が通ったルートを参考に、日本海側を通るルートで。
門司港~知床半島までざっくり2,100km。これをマイル(海里)に換算すると
2,100km ÷ 1.852km = 1,134マイル になります。
「海進」の速力は恐らく4~7ノットくらいだと思うので平均6ノットして計算。ちなみに6ノットは換算すると時速11km、自転車でゆっくり走った時の速さくらい。まぁ遅いですね。
1ノットで1時間走ると1マイル(海里)進むので、
1,134マイル ÷ 6ノット ≒ 189時間 = 7日と21時間 ≒ 8日間
5月10日に出港したとしても到着は5月18日ということになる。
自航できるボートに比べ、曳航するタイプの「海進」は荒天に弱く、移動の機動性が低い。予報による早めの避難を行う必要があるので、到着は遅れる可能性が高くなる。
5月10日出港予定
曳航船「早潮丸」のAIS情報を確認すると門司港のままでしたが、これから出港しそうな動きをしていました。
作業台船「海進」の概要
日本サルヴェージのHPには、多目的作業台船という記載。広い甲板スペースがあり、作業用途に合わせた資機材をレイアウトすることが出来る。
船体に備わっている機能として、定員58名という多数の作業員が宿泊できる居住区。そして、船首・船尾側に各2基、計4基のスラスターがあり、DPSを搭載。
船名 | 海進 |
総トン数 | 2,973トン |
長さ | 70.03m |
幅 | 26.00m |
深さ | 5.00m |
定員 | 58名 |
建造年 | 2016年4月 |
所有会社 | 日本サルヴェージ株式会社 |
「早潮丸」の概要
船名 | 早潮丸 |
総トン数 | 322トン |
長さ | 45.13m |
幅 | 10.00m |
深さ | 4.30m |
巡航速力 | 11.5ノット |
定員 | 25名 |
建造年 | 2007年4月 |
所有会社 | 日本サルヴェージ株式会社 |
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