中国の造船所で建造されている800トン吊りのクレーンを搭載した4隻のSEP起重機船。4隻は同型船。1番船の「瓯洋005」(OU YANG 005)は2022年中に完成する予定で現在、試運転を行っている。残りの3隻についても2023年6月までに完成する予定。
中国で建造されている4隻の800トン吊りSEP起重機船
2021年に上海瓯洋海洋工程集团有限公司と建造を行う大津重工業有限公司は、800トン吊りのSEP起重機船の建造に関して造船オプションを含む2+2隻の建造契約を締結。2隻については直ちに建造に取り掛かり、1番船は2021年12月、2番船は2022年5月に着工。
1番船の船名は「瓯洋005」(OU YANG 005)。間もなく完成という段階で試運転と最終的な調整を行っている。2番船の船名は「瓯洋006」(OU YANG 006)、2022年11月11日に進水。
同じ日に1隻の進水式と2隻の起工式
造船オプションと呼ばれる新造船発注の選択権を含む契約を締結していた残りの2隻についても行使され、3番船と4番船の建造も開始されている。
残りの2隻が着工したのは2番船の進水日と同じ2022年11月11日。同じ日に1隻の進水式と2隻の着工式を行うくらいなので験がいい日なんでしょうね。何か特別な日なのか1並びがお好みだったのかは分かりません。
建造費用は1隻あたり約80億円
当初の2+2隻の建造契約を締結した時の発表によると建造価格は1番船が4億1900万元、2番船が4億1680万元。日本円に換算するとそれぞれ81億2860万円と80億8592万円(1元を19.4円として換算)。
船体寸法は、長さ90m、幅42m、レグの長さは不明ですが最大水深60mで作業可能。100人が宿泊可能な居住設備を搭載。注目すべきは最大16MWの洋上風車設置が可能という点。なので揚程に特化したクレーンが搭載されるのかもしれません。
風車基礎の施工は別の作業船で行い、SEP船での施工メリットが大きい風車タービンの施工を建造中のSEP船で行う。そんな目論見で800トン吊りのSEP起重機船を4隻も建造していると思われる。
SCHOTTELのスラスターを搭載
SCHOTTELは1921年に設立したドイツに本部を置く船舶用推進システムのメーカー。建造される4隻のSEP起重機船すべてにSCHOTTELのスラスターが搭載されるようです。
船尾側にはSRP(SCHOTTEL RudderPropeller)と呼ばれるアジマススラスターの「SRP 430」が2基。出力は1,660kW(2,257PS)/基。そして船首側にはSTT(SCHOTTEL TransverseThruster)と呼ばれるトンネルスラスターの「STT 4」が2基。出力は1,260kW(1,713PS)/基。
よく読まれている記事