大分空港で海上アクセスとしてホーバークラフトが復活

船舶

 大分空港と大分市内を結ぶ交通手段としてホーバークラフトが採用され、2023年度中の運航開始に向けて整備が進んでいるようです。大分県では過去にもホーバークラフトが就航していましたが利用者減少などの理由で運航が終了しています。今回は大丈夫かなぁ、少し気になりますね。

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大分空港海上アクセスとしてホーバークラフトが復活

大分で就航予定のホーバークラフトと同型の「12000TD」
出典:GRIFFON HOVERWORK

 大分空港の利用者数増加に伴い、利便性の悪い大分空港へのアクセスを改善するため導入が進められているホーバークラフト。珍しさもあってインパクトは強烈。夢の乗り物みたいなイメージがあるので1度は乗ってみたいという気持ちになります。

大分県では過去にホーバークラフトが就航していた

航走路をドリフト走行するドリームエメラルド (2009年10月撮影)
出典:Wikipedia | まも(Mamo) – 投稿者が撮影したものをスキャン, パブリック・ドメイン, リンクによる

 少し気になるのは、過去に1971年から2009年まで大分県ではホーバークラフトが就航していましたが、利用者減少などの理由で運航を終了しているという点。今回のホーバークラフト復活に関して挙げられている導入理由の”大分空港の利用者数増加”というのは平成30年度の話。ここにもコロナの影が。直近の利用者数がどうなっているのか確認。

大分空港の利用者数
路線H29年度H30年度R元年度R2年度R3年度
国内線179万人187万人178万人56万人90万人
国際線13万人14万人5万人00
合計193万人200万人183万人56万人90万人
令和3年度大分空港利用者数(大分県)をもとに作成
出典:大分県

 大分県が発表している大分空港の利用者数を見てみると国内線・国際線の合計利用者数は平成30年度で200万人を超えていますが、令和2年度には新型コロナウイルスの影響で3分の1以下の56万人に減少。5月に発表された令和3年度の利用者数は約90万人。大分空港利用者数の回復・増加の兆しは見えますがそれでもコロナ前の利用者数200万人の半分にも満たない。大分県によると、ホーバークラフト利用者数は年間30~40万人台を想定しているとのこと。

 だいぶん不安材料を抱えていますが、ホーバークラフトでも集客が見込めそうな気もするので、たくさん人が来ることを願ってます。数年で廃止になっちゃたりしたら悲しい。

大分市と大分空港を結ぶ航路

 まず、利便性の面で問題を抱えている大分空港と大分市内の位置関係を確認。

大分空港と大分市内の位置関係

 地図を見ると一目瞭然ですが、大分空港の位置が大分市内から別府湾を挟んで対岸にあるので、海上からのアクセスがとても有効になることが分かる。陸路だと大分空港から大分県庁までが約65kmで高速道路を使用しても移動には約1時間かかるのに対して、別府湾を通る海上からのルートだと移動距離は半分以下の約29km。ホーバークラフトの最高速力は45ノット(時速約83㎞)以上というスペックですが大分県のホームページによると所要時間は約25分と記載があるので、逆算すると平均運航速力は37.5ノット(時速約70km)という事になる。かなりのスピードですね。

29km ÷ 1.852 ÷ (25分 ÷ 60分) ≒ 37.5ノット

ホーバークラフト船体デザイン

 大分県は、大分空港海上アクセスとして導入する国内唯一となるホーバークラフトの運航にあたり、県民や国内外の人に親しみや愛着を持ってもらうとともに、効果的に広くPRするため、船体のラッピングデザインを一般公募していました。集まった98点の応募から大分市のグラフィックデザイナー長門敦さんの案を採用。

 導入されるホーバークラフトは3隻予定されていて、常用船2隻と予備船1隻の3隻体制だそうです。採用される船体デザインが👇の3隻。大分空港で進められている宇宙港をイメージして、船体には宇宙を感じさせる無数の星がデザインされているとのこと。

船名募集中

 10月28日(金)~11月30日(水)の募集期間でホーバークラフト3隻の船名募集を行っています。誰でも応募可能で1人1隻につき1点、最大3点まで応募できるそうです。興味のある方は大分県のホームページに船名募集要項があるので是非参加をしてみてはどうでしょう。採用されると就航式典への招待やホーバークラフトの往復乗船券、グッズなどがもらえるようです。

ホーバークラフトの建造状況

 イギリスのGRIFFON HOVERWORKで建造されているホーバークラフトの建造状況は、大分県のホームページで紹介されていて見ることが出来ます。月1回の頻度で更新されている模様。

 建造するホーバークラフトは「12000TD」というタイプ。全長23.7m、最大搭載人員80人、最大速力45ノット以上。

 2022年1月に建造開始、3隻すべてのホーバークラフトが納入されるのは2024年1月の予定。

長さ23.7m
12.8m
最大搭載人員80人
最大積載重量12,000㎏
最大速力45ノット以上
「12000TD」の標準仕様
GRIFFON HOVERWORKの掲載記事

Griffon Hoverwork wins £25m Japan export deal

(グリフォン・ホバーワークが2500万ポンドの日本輸出契約を獲得)

Griffon Hoverwork wins £25m Japan export deal

 Griffon Hoverworkの掲載記事によると建造費用は2,500万ポンド。契約時期が不明ですが、1ポンド=153.7円(2021年11月時点)として日本円に換算すると約38億4千万円1隻あたり約12億8千万。この金額にイギリスから大分までの輸送費が含まれていると思われますが、どの程度なんでしょう。洋上風車のタービン機材と合積みできたら安くなりそうな気がしますが。

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