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観光船「KAZU1」沈没事故から38日、陸揚げされ調査始まる

知床観光船沈没事故 事件・事故
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「KAZU1」陸揚げ

 2022年6月1日、観光船「KAZU1」が網走港の岸壁へ陸揚げされ、事故原因の究明に向けて調査が始まる。

 4月23日の沈没事故から38日。

 沈没した観光船「KAZU1」に乗船していた乗員乗客26人の内、12人は未だ行方不明のまま。

 然るべき人間に然るべき罰を与える大きな証拠物件「KAZU1」

 迅速な原因究明と適正な行政処分・刑事処分が行われることを期待しています。

沈没から陸揚げまでの時系列

「KAZU1」沈没事故の時系列
  • 4月23日
    10時
    「KAZU1」ウトロ魚港を出港

     乗船者は子ども2人を含む乗客24人と、船長・甲板員の合計26人

  • 14時~15時
    「KAZU1」沈没
  • 4月29日
    掃海艇「いずしま」カシュニの滝付近で「KAZU1」発見

     同艇搭載のROVにて水深120メートルの海底で「KAZU1」の文字を確認

    沈没した「KAZU1」
  • 5月2日
    海上保安庁は「日本サルヴェージ」と行方不明者の捜索について契約

     費用は8億7700万円。「新日丸」が鹿児島港を出港

    鹿児島から知床へ向かう「新日丸」
  • 5月3日
    ROVにより初めて船内の様子を確認

     一方、北海道警察のROVが操作不能に陥り、船内入口付近で回収不能に

  • 5月7日
    「新日丸」知床半島沖へ到着
  • 5月8日
    「新日丸」無人潜水探査機「はくよう」を使い捜索、調査活動を開始
    「新日丸」から進水する無人潜水探査機「はくよう」
  • 5月10日
    作業台船「海進」と曳船「早潮丸」が福岡県の門司港を出港

     「海進」には飽和潜水の為の機材を搭載

  • 5月17日
    「海進」「早潮丸」網走港に到着
  • 5月19日
    「海進」沈没現場到着、飽和潜水で「KAZU1」船内を捜索
  • 5月23日
    「海進」による「KAZU1」引き揚げ作業開始

     飽和潜水による吊具セット後、船体を海面付近まで引き揚げることに成功

    「KAZU1」の白い船体が海面にうっすら見える
  • 5月24日
    「海進」による「KAZU1」曳航中に船体が水深182mへ落下

     落下場所はウトロ漁港沖。吊具のナイロンスリング5本中2本が破断。

  • 5月26日
    「海進」による2度目の「KAZU1」引き揚げ作業開始

     ROVによる吊具のセット後、船体を海面まで引き揚げることに成功。その後、ウトロ沖の水深の浅い場所へ曳航。

    2度目の「KAZU1」引き揚げ
  • 5月27日
    「海進」甲板上へ「KAZU1」船体を引き揚げ、網走港へ着岸
    ブルーシートで覆われた「KAZU1」
  • 6月1日
    網走港の岸壁に「KAZU1」船体を陸揚げ

事故原因の究明

 引き揚げられた「KAZU1」の調査が始まり、沈没した事故原因の解明が行われると思いますが、相当な時間を要するでしょう。

整備不良の疑い

 事故前年の運行休止期間中に陸揚げされた時、船体に15cmほどの亀裂損傷が生じていたことが確認されていたが船体の修理を実施することなく越冬したことが判明。船体の亀裂損傷と事故との関連が疑われている。

「KAZU1」は以前、瀬戸内海で運航されていた

 「KAZU1」はもともと穏やかな瀬戸内海で定期高速船「ひかり八号」として運航されていた。瀬戸内海と知床半島では海象条件が大きく異なる。そもそも「KAZU1」が知床半島で観光船として使用できる船だったのか疑問。

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最後に

 水深120mという海の底に沈んでいた「KAZU1」。曳航中の落下はありましたが、結果これだけ早期に引き揚げ作業を完遂したサルベージ企業の技術力の高さは頼もしくも感じます。

 「KAZU1」沈没事故を受けて知床遊覧船など地元4社で構成される知床小型観光船協議会は5月末までの運行自粛を決めているという報道を見ていたので、5月中に引き揚げ作業が完了したことは非常に意味があると思いました。まだ行方不明者が多数いる中で以前のように観光船に乗船する方がいるとは思えませんが、安全面の改善が進み、1日でも早く乗客を乗せた観光船が戻る日が来ることを願っています。

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