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最大60トンの貨物運搬、飛行船による貨物輸送に向けた提携

最大60トンの貨物運搬、飛行船による貨物輸送に向けた提携 新技術・工法
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最大60トンの貨物運搬、飛行船による貨物輸送に向けた提携

Louis Dreyfus Armateursのプレスリリース【2023年11月16日掲載】

Louis Dreyfus Armateurs and Flying Whales partner to develop the transport of exceptional loads by airship

(Louis Dreyfus Armateurs と Flying Whales が提携し、飛行船による例外的な荷物の輸送を開発)

https://www.lda.fr/en/louis-dreyfus-armateurs-and-flying-whales-partner-to-develop-the-transport-of-exceptional-loads-by-airship/

2023年11月16日、フランス大手の海運会社Louis Dreyfus Armateurs(LDA)は、FLYING WHALESとの覚書(MoU,Memorandum of Understanding)を締結したと発表しました。このパートナーシップ締結により、FLYING WHALESが開発した「LCA60T」と呼ばれる最大60トンの貨物輸送が可能な飛行船の使用について商業化を目指すという。

「LCA60T」は全長200m、直径50mの飛行船。最大積載量は60トン。輸送する貨物を搭載する貨物室は長さ96m、幅7m、高さ8m。浮力にはヘリウムを使用し、エネルギー消費量が少ない事からCO2排出量が削減されるそうです。さらに、環境への影響を削減するため、グリーン水素の使用に基づいた全電気推進システムを開発しており、環境に優しい貨物輸送ソリューションになるという。

飛行船が船上のコンテナを吊り上げているイメージだけ見ると、発想は面白いと思いますが実用性や効率を考えると現実的ではないのかなと感じたのが第一印象。ですが、プレスリリースの説明を読み進めると、使用する用途や条件によっては有効な場合があるのかもしれないと思いました。

型式LCA60T
長さ200m
直径50m
最大積載量60トン
貨物室
L×B×H
96m×7m×8m
「LCA60T」の仕様
最大60トンの貨物運搬、飛行船による貨物輸送に向けた提携
飛行船「LCA60T」による船舶からのコンテナ荷下ろし
出典:Flying Whales
覚書(MoU)とは?

覚書(MoU)とは、Memorandum of Understandingの略で、了解覚書という意味。当事者間の合意内容を書面化したものであり、ほとんどの場合において法的拘束力はなく、不履行による罰則もない。

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陸送が困難な遠隔地への貨物輸送

LDAのプレスリリースによると、飛行船「LCA60T」による用途として焦点を当てているのは、陸上での輸送インフラが整っていない遠隔地への貨物輸送。さらに、道路や鉄道で輸送が難しい大きな貨物などの輸送においても効果的。長さ96mの貨物室よりも大きな貨物については「アンダースリング」モードにより吊り下げた状態で運ぶことができる。

飛行船の推進力として32基の電動スラスターを7つの船体ポイントに分散して配置。電動スラスターは直径4mで3枚の可変ピッチブレードで構成されており、飛行船の巡航および積み込み段階での操縦性を確保している。

FLYING WHALESのウェブサイトには、様々な用途での「LCA60T」使用イメージが掲載されています。

「LCA60T」で期待される様々な用途
  • 遠隔地への貨物輸送
  • 災害現場など被災地への物資輸送
  • 風力タービン部材輸送
  • 遠隔地で鉄塔などの建設
  • 伐採した木材の輸送
  • エネルギー自給自足型の移動病院輸送

「LCA60T」使用イメージの中で気になったのは、風力タービンブレードの運搬。道路が無いような僻地に陸上の風車が建設されるいるのをよく見るので、部材の運搬に使用するのは効果的なのかもしれないと思いました。ただ、輸送ルートが整備されていないという条件だと、設置作業をおこなう重機も運ばなければならない事になりますが、長尺のブレードを運搬するだけでもメリットがある現場はありそうな気がします。

リンク先 FLYING WHALES

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